#245 11月19日/昔あった風景

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感想

自転車のパンクからはじまる恋。
コンビニの前で並んで一緒に食べるおでん。
はじめて、恋人を下の名前で呼ぶ、下校中の出来事。
プールサイドや花火。実家にかける電話。
そして、素直に感情を伝えられなくて、すれ違うふたり。

昔、高校生だったうぶな初恋を思い出すかのような、甘酸っぱくて、なんだか懐かしい気分にさせる。大人になった自分たちが振り返って、ちょっと切なくなる、そんな青春ラブストーリーでした。

物語は、2000年前半の、ある冬の日から始まります。
ロケ地である山形の四季が非常に綺麗です。ロケ地である山形県山形市高瀬地区は、あのジブリの『おもひでぽろぽろ』の制作においても参考にされた場所でもあります。

縁あって、神谷正智監督の前作『それから、』も、2014年に観させていただきました。そちらでは、”家族”の日常が描かれていましたが、今回は高校生の恋愛。

2つの映画好きを集めたイベント(OFF会)に参加して。

2014.05.25

様々な田舎の風景とともに、ふたりの男女の感情の機微が描かれます。

最初にふたりで歩く道の風景がとってもよくて、そのふたりの距離感が、徐々に近づいていく描写が素敵でした。
何気ない日常や、風景な中に、懐かしさや、その人の大切な思い出が詰まっていて、粗は目立つのですが、それでも青春ラブストーリーとしてしっかり成立していたと思いました。

音が自然の音なのもいい。バックに音楽を入れないおかげで、その街や人物の”音”がメインに聞こえてきて、集中して見られます。
(余計な音が入らないないように撮るのは大変だと思います)

前作気になっていた下ネタが同じように使用されていたのがやや残念。せっかく甘酸っぱい青春を、綺麗な風景ともに描いているので、もったいないなという思いましたが、その裏には、綺麗なものだけに終止したくないという想いだったり、照れ隠しの想いもあったりするのかなと詮索してしまいました。。。それも監督の個性の一つかもしれませんね。(下ネタじゃなくて戦場の英語の先生みたいなシュールな笑いの方が好きかも)ちなみに舞台挨拶で、次回作は、下ネタを辞めると宣言されてました。

監督は、タイトルや扱う題材にセンスあるなぁと思います。もちろん制作費の面で限りがあるので、演出面が弱い点は否めないのですが、次回作も期待しています。

ぽっけ
上映は1週間限定(〜5/17まで)ですので、気になる方はぜひ劇場でご覧ください。

池袋・シネマ・ロサで上映中

作品詳細

『11月19日』
ジャンル:ドラマ/青春/ラブストーリー
時間:84分
監督:神谷正智
年度:2017年

・公式サイト:https://sorekara.wixsite.com/nov19/