#230 グラスホッパー/生きてやる!?

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グラスホッパー /満足度★★★☆(3.5)grasshopper/ジャンル:ホラー(アクション)/119分/監督:瀧本智行/2015年/日本/配給:KADOKAWA / 松竹

 

バカジャナイノー。

YUKI 『tonight』

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ストーリー説明
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恋人を殺害した犯人へのリベンジを誓った鈴木(生田斗真)は、教職を辞め裏社会の組織に潜入しその機会をうかがっていた。絶好の機会が訪れた矢先、押し屋と呼ばれる殺し屋の仕業で犯人が目前であっけなく死んでしまう。正体を探るため鈴木が押し屋の後を追う一方、特殊な力で標的を自殺に追い込む殺し屋・鯨(浅野忠信)は、ある任務を終えたとき、殺人現場を目撃し……。

引用:シネマトゥデイより

○感想

伊坂幸太郎原作映画化作品

伊坂幸太郎原作映画、大体観てます。

1.『陽気なギャングが地球を回す』(2006年/監督:前田哲/主演:大沢たかお)
2.『CHiLDREN チルドレン』(2006年/監督:源孝志/主演:坂口憲二)※
3.『アヒルと鴨のコインロッカー』(2007年/監督:中村義洋/主演:濱田岳・瑛太)
4.『Sweet Rain 死神の精度』(2008年/監督:筧昌也/主演:金城武)
5.『フィッシュストーリー』(2009年/監督:中村義洋/主演:伊藤淳史)
6.『重力ピエロ』(2009年/監督:森淳一/主演:加瀬亮・岡田将生)
7.ラッシュライフ(2009年/東京藝術大学大学院映像研究科製作/主演:堺雅人)
8.ゴールデンスランバー(2010年/監督:中村義洋/主演:堺雅人)
9.ポテチ(2012年/監督:中村義洋/主演:濱田岳)
10.オー!ファーザー(2014年/監督:藤井道人/主演:岡田将生)
11.グラスホッパー(2015年/監督:瀧本智行/主演:生田斗真)

※『CHiLDREN チルドレン』はWOWOW「ドラマW」の方だけ鑑賞
※「I LOVE YOU」にある短編『透明ポーラーベア』もDVDで鑑賞

そもそもの伊坂作品についての分類

今年7月に発売された文庫本「ジャイロスコープ」の「十五年を振り返って 伊坂幸太郎インタビュー」にて自身の作品について3分類に分けて記されています。

●無邪気な小学生期(第1期)
→ひたすら自分の書きたいと思ったものを完成させて行った時期。

「オーデュポンの祈り」「ラッシュライフ」「陽気なギャングが地球を回す」「重力ピエロ」「アヒルと鴨のコインロッカー」「グラスホッパー」「砂漠」「オー!ファーザー」

●好き勝手な中学生(第2期)
→読者は求めていないかもしれないけれど、自分の好き勝手をやって書いた時期。

「ゴールデンスランバー」「モダンタイムス」「あるキング」「SOSの猿」
「マリアビートル」(第一期みたいな小説は書けなくなったと思われたら悔しいと思い書いた小説)

●大学受験を終えた高校生(第3期)
→東日本大震災後、小説は楽しく読んでもらうことだと思い書いた時期。

「ガソリン生活」
「夜の国のクーパー」「死神の浮力」「火星に住むつもりかい?」
の”戦争”、”自分の死、大切な人の死”、”魔女狩り的な世界”の「怖いこと三部作」の執筆

伊坂さんは、長編は、自分が一番やりたいこと、自分のために書くもので、
短編は、起承転結があって、読者が求めているであろう「伏線とその回収」「変わった登場人物」「楽しい会話」、また、読者のことを考えて「面白い仕掛け」「驚きのある展開」を用意して書いていると言います。

”長編よりも短編集の方が人気のあるような気がして。”とご自身も感じているように短編のが勢いがあってわかりやすくて”ウケ”が良いと私も思います。

原作を映画化するにあたって難しいことって、ある程度イメージを固定化することにあると思います。小説は文字だけなので、読者の想像力がそれを補完します。登場人物や場所背景などは読者によってそれぞれ変わっていきます。

映画によって映像化することで、イメージを作為的に作り上げなくてはならないため作る人によって、小説が生み出している効果や世界観が大きく変わっていくと思います。なので、ある程度伊坂さんが読んでいる人を意識して書いた短編の方が映画化するにあたってわかり易い形で受け入れられる映画になるんじゃないかって思いました。『バイバイ、ブラックバード』『残り全部バケーション』『ガソリン生活』『首折り男のための協奏曲』あたりは映像化されたら見てみたいなぁって思います。(『バイバイ、ブラックバード』は映像化するなら、配役はあの人しかいないので、難しそうですが)

『グラスホッパー』はそんな意味でも、初期の作品であり、今までも映像化難しいと言われていた作品なので、期待半分、不安半分でした。

『グラスホッパー』の感想

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TOHOシネマズCOREDO日本橋にて鑑賞。(隣の人のチーズのポップコーンがずっと匂ってた2時間でした。どうでも良いですけど、チーズって結構匂いますよね。。。)

※以下原作好きの戯言です。

伊坂作品の初期に当たる作品ということで、ミステリーでかつ伏線に特徴のある作品です。

しかし、映画は何だか思ったより、結構ホラーな映画になっていた印象でした。おそらく監督は原作の”幻覚”の部分と”グラスホッパー”というタイトルの意味に主眼を当てて作られたのだと思います。伏線などのミステリー要素はないに等しいです。それにお決まりのちゃんとした解説ありなので、想像して楽しむような余韻もなし。いろいろ映画的な面白さを取り入れているけれども、どれも中途半端な感じになってしまっているのかも。

それに映画として興行的にヒットしなくてはならない点もあり、配役にも配慮して、メジャー感を出したので、結果的にあぁいった結末(ハッピーエンド)にせざるを得なかったという裏事情ももしかしたらあると思います。

それは全然構いません。原作のミステリーたる所以の結末。ここでは書きませんのでそれに言及されているこちらリンク先へ。

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監督がホラーよりのバイオレンス(一部いらないグロテクス描写)にしたのは、作風として良いです。密集して育つと黒く変色し、凶暴になるというグラスホッパー(トノサマバッタ)のテーマを最近の日本の批判の象徴となっている渋谷のスクランブル交差点でのハロウィンを描くことで表していることも、素晴らしいと思います。それとは対照的に鈴木、鯨、蝉の3人は群れることなく、孤独でありながらも生きる姿も浮き出ます。

でも、それでも、殺し屋ではない普通の人物として描かれている”鈴木”の生き様と立ち直りの仕方の描きかたがちょっと違和感があって、、、、、自分的には感動しませんでした。

『僕は、君のために結構頑張ってるんじゃないかな』というセリフがないことに不満でした。

このセリフって『グラスホッパー』において何度も使われる重要なセリフだと思います。鈴木が与えられた運命は、ひどく重くて辛いものです。でも何もしないで生きることはできない。だから、誰かのために、自分ができる限りのことを頑張る。これまた原作にあって映画にはない点ですが、伊坂作品の「オーデュポンの祈り」でも使われる「神様のレシピ」の話。運命はすでに決まっていて、自分の範疇を超えたものという前提。「それはもちろんあるよ、でもそれでもそれに抗って頑張ろうよ」というのが活きない気がするんです。これがないから、ちょっと鈴木がただの自暴自棄な感じにしか見えない気がしました。

あくまでも、自分の奥さんのために少し頑張っているという点が大事であって、鈴木の中で奥さんがなくなったことを受け入れつつも、彼の中で奥さんの意思が受け継がれ生き続ける(立ち直る)という点が薄い気がします。

それに、「やっぱり生きるためにはたくさん食べないといけないじゃないですか。」というあのバイキングの描写もない。。。あれ好きなのに。。。それがあるから鈴木が主体的に”ピエロ”ではなく主体的に生きていることがわかります。この映画では終始鈴木は”ピエロ”で終わっています。

もともと映画向きな派手なシーンは原作にもなく映像化するのは難しそうかと思いましたが、派手なアクションを取り入れいて飽きさせない工夫をしていたのはグッドでした。評判の通り蝉演じる山田涼介さんの演技がすごかった

ジャニーズ関係は、画像怖いので、山田涼介さんのしじみの画像挙げておきますね。(それにしても公式のFBにもジャニーズの二人の画像が挙がっていないという、、、)

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それでもちょっと静と動の”静”の部分が長くて間延びした感がありリズムには乗れませんでした。メジャー作品として、売り出すために仕方ない面もありますが、ジャニーズが少し全面に出すぎた感があります。一人なら良かったけど、二人だと。。。生田斗真さん好きですけど、どこにでもいる”普通な”鈴木役でははまらないんですよね。かっこよすぎて、さわやかすぎて。今回は、山田涼介さんを一人で大プッシュしていけばよかったんじゃないかって思います。

そして大事なその鈴木の奥さんの存在も、あんなに全面的に顔が出るキャラクターというよりも、原作みたいにうっすら出るけど、存在感がある感じがよかったかなと。

「グラスホッパー」はやっぱり初期の作品ということもあり、そこまで読者側に目をいった作品ではないです(だからこそ良いのですが)続編に当たる「マリアビートル」は伊坂さんが読者に向けたサービスで作った作品。映画化にも適した密室列車アクションになっています。期待しています!

読んで頂いて、ありがとうございます。

●参照

○画像:(C) 2015「グラスホッパー」製作委員会

○予告

https://youtu.be/ZdSCCQf-x6E

公式サイト

○参考に読んだおすすめ感想ブログ/サイト

映画『グラスホッパー』原作からの改変は失敗?(ネタバレなし感想+ネタバレレビュー) カゲヒナタのレビュー
交わらない「グラスホッパー」の感想 / レビュー / 評価 / ネタバレ | NANOKAMO BLOG
『グラスホッパー』 – 僕の孤独がバッタだったら – 1953ColdSummer

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