#228 ザ・ウォーク/人生はいつだって綱渡り

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ザ・ウォーク /満足度★★★★★(5)THE WALK/ジャンル:/123分/監督:ロバート・ゼメキス/製作:2015年,日本公開:2016年/アメリカ/配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

 

”不可能へ向かって挑戦し続ける男”の姿に圧巻!!

https://youtu.be/oLHzQjDob3U

▼後で読む。

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ストーリー説明
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1974年。フランス人の大道芸人フィリップ・プティ(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、誰も考えついたことのない挑戦をすることに。それはニューヨークのマンハッタンにそびえ立つ2棟構造の高層ビル、ワールド・トレード・センターの屋上と屋上の間にワイヤーロープを張って命綱なしで渡っていくというものだった。そして、ついに決行の日を迎えるフィリップ。地上110階の高さに浮いているワイヤーを、一歩、また一歩と進んでいく彼だったが……。

引用:シネマトゥデイより

劇場鑑賞
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第28回東京国際映画祭が昨日10月22日から31日の10日間行われています!そのオープニング作品であるワールドトレードセンタービルの間を綱渡りに挑む男を描いた映画『ザ・ウォーク』。同映画は『フォレスト・ガンプ』のロバート・ゼメキス監督、『(500)日のサマー』『インセプション』のジョセフ・ゴードン=レヴィット主演ということで昨年から話題になった映画です。ニューヨーク映画祭のオープニング作品にも選ばれ非常に好評価を得ています。

今回『ザ・ウォーク』を同会場で鑑賞することができたので、感想を書いてみます。

○感想

ロバート・ゼメキス監督の『ザ・ウォーク』への想い

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ロバート・ゼメキス監督映画といえば、今年が公開30周年であり、未来の日10月21日が来るということで話題になった『バック・トゥ・ザ・フューチャー』だと思います。

参照:
10月21日はバック・トゥ・ザ・フューチャー記念日!~パート1製作秘話~ | FILMAGA(フィルマガ)
バック・トゥ・ザ・フューチャー記念日パート2!~続編製作秘話~ | FILMAGA(フィルマガ) (この苦悩を知ると泣けます。。。)

また、その後第67回アカデミー賞作品賞を受賞したトム・ハンクス主演『フォレスト・ガンプ/一期一会』。続いてジョディ・フォスター、マシュー・マコノヒー出演の『コンタクト』や同じくトム・ハンクス主演主演の無人島に流れ着いた男性のサバイバル生活を描いた『キャスト・アウェイ』など常に新しい映像手法で私たち観客を魅了し、きめ細やかな人物描写に多くの人を感動させた”人間ドラマ”の名手として数々の名作を産み出してきたロバート・ゼメキス監督。でも、その後の自身初の3D:CGアニメーション映画『ポーラー・エクスプレス』を観て、、、、、ちょっと首を傾げてしまいました。。。。

監督は「イメージムーバーズ・デジタル」という映画製作会社を創設し、パフォーマンス・キャプチャーと呼ばれる、実際の俳優の動きや表情を精細に記録し、そこから登場人物をレンダリングしCG映像化する技術を取り入れた映画を撮り続けます。『ベオウルフ/呪われし勇者』『Disney’s クリスマス・キャロル』などの3D:CGアニメーション映画を手がけますが、フルCG映画ということで制作費も相当かかり、興行的にも利益を生む結果とならず成功した結果とは言えず、とうとう会社も閉鎖することになったようです。

というように一時は、CGアニメーション映画に力を入れていた監督ですが、2012年に実写映画を再び製作されます。デンゼル・ワシントン主演の『フライト』です。シリアス系の映画かと思えばこちらとんでもない。アル中、薬中”ヤロウ”野郎映画ということで賛否両論ある映画なのですが、ラスト10分が本当に素晴らしいのでこの映画を観てロバート・ゼメキス監督の今後の実写映画にかなり期待していました。

そして、『ザ・ウォーク』です。「この映画を作るために今までの苦労や損があった」と自信を持って述べている監督の集大成的な作品。『ザ・ウォーク』という映画は簡単に言えば、綱渡りする映画なのですが、その綱渡りを今までの映画製作で培ったCG技術をふんだんに使って、観客に”綱渡り”を疑似体験させようと試みている実写映画なのです。

『ザ・ウォーク』について

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1974年、当時世界一の高さを誇ったニューヨークのワールド・トレード・センター。その高さ411m。地上110階の道なき空間をワイヤーロープ一本でつなぎ、命綱なしの空中闊歩にある一人の男が挑んだ男フィリップ・プティの実話です。実はこの話自体一度『博士と彼女のセオリー』のジェームズ・マーシュ監督により、本人や関係者の証言や再現映像を交えて紹介する2008年のイギリスのドキュメンタリー映画『マン・オン・ワイヤー』として描かれ、第81回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞に受賞されています。

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しかしこの綱渡りの”偉業”は実は映像としては残されていません。綱渡りを発見した警察が入り込んできたためカメラなどは撮れていませんでした。残っているのは警察が状況証拠として残した写真のみ。しかし、そこでの綱渡りの映像を映画『ザ・ウォーク』で再現してくれました。しかもロバート・ゼメキス監督は、その映像を俯瞰で見せてくれるだけでなく、この体験したフィリップと同じ目線で私たちに見せてくれたのです!それができるのが数々のCGアニメーション映画を製作してきた監督の偉業であり、監督にしか再現できない映画だと思います。

高所恐怖症の人は要注意!!3Dの迫力に目がくらむこと間違いなし!

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フィリップが地上411mの高さからワイヤーの上で見た景色。その高さ、質感や風などを3D技術により存分に感じさせてくれます。ツインタワーの間に張ったワイヤーの上で行った彼のパフォーマンスを忠実に再現し、それをあたかも私たちが見守っているかのようなスリル感を味わせてくれました。

ニューヨークで行われた試写会ではあまりにもリアルな映像でめまいを起こして吐き気を催した方もいらっしゃるほど。ロバート・ゼメキス監督は、会見で「目標は観客にめまいを感じさせることだ」と語っていますが、まさにその通りの迫力でした。著者は見ている間手汗がびっしょりになってしまいました。そして単なる42.67mの綱渡りだと思うことなかれ。この20分の綱渡りシーンは本当に素晴らしいもので、ワイヤーの上からフィリップが見上げた空の景色や見下ろしたニューヨークの街並み。そしてワールド・トレード・センターの偉大さ。ドキドキ以上に崇高なものを感じてしまいました。それが成功したとき、ものすごい爽快感を感じることができました!

また、ラストの綱渡りシーンだけでなく、幼少の頃からの成長を描いたシーン、大道芸人として街中で芸をするシーンなどCGが効果的に使われていて心奪われます。成長するにつれて綱が減っていく演出、冒頭のモノクロの中の映像に色を一色だけ用いたものや見てて芸術的に感じるシーンが数多く使われています。自身を”ピエロではなく、アーティストだ”と語るフィリップさながら、ゼメキス監督も私たち”観客に敬意”を払い”芸術”を魅せてくれました。

ちなみに、360度の体感は少しだけ以下の動画でご覧になることができます。

The Walk – A 360 View on Top of the Twin Towers

映画音楽も素敵!!

作曲はゼメキス監督の名コンビ、アラン・シルベストリ。最高。スパイ的なのも、崇高なものも。

スライ・アンド・ザ・ファミリーストーンっていうバンドの70年代のヒット曲で、『I Want to Take You Higher』(訳:君を高い高いところに連れて行くぜ)がかかるのはワールドトレードセンタービルに立ったシーン。上がります。

そして、ベートーベンの『エリーゼのために』(独:Für Elise)かかるところもいいのですよ!

人生はいつだって綱渡り。”不可能へ向かって挑戦し続ける男”の姿に圧巻!

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企業のスポンサーを得たり、何かのキャンペーンで綱渡りをしたというわけではありません。夜にこっそりと建物内に入り込み綿密な準備をしながら目的を遂行していきます。当然許可がなく行っている違法行為なので、綱渡り後はすぐに逮捕されて終わりです。突拍子がなく理解できない男なのですが、”華麗なる犯罪”と異名がつくのが分かるほど、何とも崇高な想いを感じさせます。

パリのノートルダム大聖堂、オーストラリアのハーバーブリッジなど数々の綱渡りをしてきたフィリップですが、当時ワールドトレードセンターの建設プランを知った時これを渡ってやろうと意気揚々として8ヶ月の計画を立て仲間とともに成し遂げようとします。実行までの間に様々なアクシデントがあり、途中途中でハラハラしてしまうのですが、いよいよ決行の朝の澄んだ朝の描写に崇高な想いを不思議と感じます。

「なぜこんなことを?動機は?」と聞かれても、「意味なんてありません」と答えるフィリップ。当然犯罪ですから、偉業と褒め称えるものではないかもしれません。ただのお騒がせものだと言えばそうかもしれません。でも、観る人をただ圧巻させます。ただ登り下りする山登りをする人にその目的を聞くと「そこに山があるから登る」と答えるように、フィリップもまた「そこに高いビルがあるから渡る」という単純な理由で綱渡りをします。理由動機を超えたもっと大きな人間として挑戦する意欲を刺激させるのかもしれません。

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”不可能へ向かって挑戦し続ける人物”男フィリップ。それを見守る仲間たちがまた印象的です。やはり人は人智を超えたものを見るとなぜだか応援したくなるものかもしれません。

「エッジを歩いてこその人生、そうしたら人生はいつも綱渡りなのさ」立ち向かわざるを得ないと感じる男の姿に何かしら感じる方もいると思います。”綱渡りは生きることそのもの”と言うフィリップのように、私たちは生きていく中で、命をかけてでも勇気を出して挑戦しなくてはならないときがあるはず。そんなことを考えさせ、前へと突き進む原動力を与えてくれる映画です。だから誰もが彼の偉業を見れば拍手したくなるのです。

空の上の綱渡りを体験しよう!

待ちきれない方は、まず『ザ・ウォーク』の元となるドキュメンタリー『マン・オン・ワイヤー』を是非観て予習して下さい。内容は同じですが彼の偉業を周りの人のインタビューを元に描かれています。おすすめです。そして日本では来年1月23日に『ザ・ウォーク』が公開になります。しかも”IMAX3D”でも上映されます。空の上の”ロマン体験”を、ぜひ!

第28回東京国際映画祭まだまだ話題作目白押し!
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なお、第28回東京国際映画祭は他にも話題作が目白押し。31日(土)まで、六本木ヒルズ、新宿バルト9、新宿ピカデリー、TOHOシネマズ新宿ほかにて開催しています。 なお、ticket board にてオンラインでもチケットを購入できます。

・東京国際映画祭についての解説はこちら
初めての方の為の「東京国際映画祭の歩き方」〜素晴らしい映画体験のススメ〜 | FILMAGA(フィルマガ)

・チケットの入手法はこちら
【東京国際映画祭】誰でも行けるって知ってた?チケット入手方法や魅力を解説! | FILMAGA(フィルマガ)

・注目作はこちら
28回東京国際映画祭の注目作はこれだ!①コンペティション/ワールドフォーカス編 | FILMAGA(フィルマガ)
第28回東京国際映画祭の注目作品はこれだ!②その他の部門編 | FILMAGA(フィルマガ)

読んで頂いて、ありがとうございます。

●参照

○予告

公式サイト

○参考に読んだおすすめ感想ブログ/サイト
町山智浩 映画『ザ・ウォーク』を語る

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