#205 セッション/怒りに満ち溢れた最高の映画

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セッション /満足度★★★★★(5)WHIPLASH/ジャンル:バトル?(ジャズ)/107分/監督:デミアン・チャゼル/製作:2014年,日本公開:2015年/アメリカ/配給:ギャガ/製作費:330万ドル

 

負のエネルギーで何かに挑んだ経験のある全ての人に送りたい。

▼後で読む。

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ストーリー説明
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名門音楽学校へと入学し、世界に通用するジャズドラマーになろうと決意するニーマン(マイルズ・テラー)。そんな彼を待ち受けていたのは、鬼教師として名をはせるフレッチャー(J・K・シモンズ)だった。ひたすら罵声を浴びせ、完璧な演奏を引き出すためには暴力をも辞さない彼におののきながらも、その指導に必死に食らい付いていくニーマン。だが、フレッチャーのレッスンは次第に狂気じみたものへと変化していく。

引用:シネマトゥデイより

○感想

※映画を観終わって興奮が冷めやらないまま書き綴っています。

この映画観た人は、感じるかと思います。
どんな感情かというと、一言、”怒り”です。

そういう意味での”感動”した映画です。

”ジャズ”映画なのか?”教育”を描いた映画なのか?

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音楽を題材にした映画ということで、今のところ今年観た中でベストの「はじまりのうた」とは対極的の映画だと思います。「はじまりのうた」はものすごくハッピーになって、音楽って楽しい!素晴らしい!と思える映画でしたが、こちらの「セッション」は、ただ単純に音楽って楽しいなぁって、人生って楽しいなぁって思える映画ではないのですから!!!!

通り越して、音楽って素晴らしい、楽しいと思える映画なのかもしれませんが。

こんなのジャズじゃない!という批判もジャズのプロの方からの指摘あります。私はど素人なので、何も言えませんし確かにそうなのだろうと読んで思いましたが、そういうジャズ批判で終わるような映画ではないということは以下の記事にて評論家の町山さんも言っています。この映画は、作り手の想いがあるから素晴らしい映画なんです。

まさに”「”ジャズ”だろうと”ジャズ”じゃなかろうと、いい映画はいい映画」”なのだと思います!

菊地成孔先生の『セッション』批判について – 映画評論家町山智浩アメリカ日記

また、もしかしたらこの映画を観て”教育”に権威を持ったひとが批判するかもしれません。体罰も当然ありますし、それほど強烈な師弟関係を描いた作品だからです。人を育てる技法、これが正しいなんて言えませんし、この映画では良いとか悪いとか言ってません。むしろこの教育方法を批判している向きはあります。教育科学の話をしているのではないということだけ心得て観てください。

”ジャズ”映画なのか?”教育”を描いた映画なのか?
答えは、上記でも書きましたが、そういうジャズ云々、教育云々の次元の映画ではないところにこそ!この映画の醍醐味があるんです!

作り手の想い100%の映画だから伝わる!

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ちなみに、この映画の監督デミアン・チャゼルは、1985年生まれの現在30歳(2015年4月現在)。「セッション」は当時28歳の頃に作り出しています。(自分と同じ年齢!すごすぎる!軽く嫉妬。。。)当然無名であり、最初「セッション」も出資してくれるひとはいなかったようです。それがブラックリスト(映画化されていない脚本のなかでも特に優れた脚本のリスト)に載ったことにより評価されたのことです。
・参照:wikipedia

それでも、この映画制作費わずか330万ドル(約4億円以下)の低予算映画です。その予算の少なさは以下の記事の他のハリウッド予算の莫大な予算を見ればわかると思います。その100分の1くらいの予算でこの映画は作られています。
※参照:大ヒットから大コケまで・・ハリウッド映画高額制作費ランキング!! – NAVER まとめ

しかも、監督は実際にミュージシャンになろうと高校でジャズ・ドラムに打ちこみ厳しい指導により挫折した経験を持っています。
だからこそ!!監督の想いが非常に詰まった映画なのです。だから、観る人の心に打つのです。ジャズを音楽を一般的に定義づけようとしたものでも、人生って素晴らしいなって思わせる、楽しませようとする映画ではないんです。当然興行的に”売ろう”とする映画とも違います。作り手の想いが100%詰まった映画だと思います。

この”異常な”スパルタ。そしてクライマックスの9分間!

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正直この映画、”いわゆる”「ブラック会社」に勤めた経験のある人に見て欲しい。是非。
私自身がそういった場所にいたかどうかは伏せますが、何を持って”ブラック”かというと、教育?のために仕事?のために罵声を浴びさせたり、それこそ、歯を食いしばり、血を吐きながら仕事させようとする会社のこと。

会社だけでなく、部活・スポーツでも、バイト先でも、他習い事、勉強でも、師弟関係を持ち人から怒られた経験のあるひと。
そして、挫折し、そのひとに対して怒りを覚えたことのある人。できない自分に対して怒りをもったことのあるひと。挫折して、”悔しい!”と心から思い、泣いたひとに見て欲しいです。

そんなひとの心をえぐるようにささる映画だと思います。前向きな気持ちで何かに挑戦しようとしたり、頑張るのではなくて、人や自分に対して、世の中に対して悔しい悔しいと、憎悪のような”負のエネルギー”を持ちながら前に進もうとしたことがあるひとこそ何かを感じる映画だと思います。

飴とムチ。

褒めて伸ばすこと。飴はひとを前向きにやる気にさせます。反対に、ムチは、ひとを追い込み、負けたくないという気持ち、ふざけるなという憎悪でひとを前に進ませます。

どちらがいいかどうか、そんなことわかりませんし、ここではどうでもいいことです。私自身は、どちらも経験ありますし、それは褒めてもらいながら進んでいくのがいいです。でもあれこれ昔を思い出すと、負のエネルギーで前に進んでいたことが多いです。”悔しい””見返したい!”という気持ちで何かに打ち込んでいたことが多い気がします。

この映画の主人公がそれこそ、すごい容態になりながらもやり遂げたいという気持ち、”異常”なんですが、わからないでもないです。下ばかり見ていた少し甘い考え方を持っていた彼は、あそこまで鋭い目を持って相手を見れるようになりました。よくわからなくなるまで物事に打ち込むこと、必死になること、そこから見えて来る景色というのは全然違うと思います。いいか悪いかではないんです。異常ですが、そこまでいかないと生まれないものもあるということ。

キャッチコピーの「ラスト9分19秒の衝撃」のクライマックスシーン。

スパルタを受けた相手への憎悪と情けない自分への怒りが合わさっています。このシーンは本当に息ができなくなります。衝撃です。本当にこんな映画観たことないです!これを観るために是非DVDじゃなくて映画館で見て欲しいです。バトル映画です。

見ている最中は、”勧善懲悪”の映画なのかと思いましたが、映画では表していない部分ですが、想像すればそうとは限らないものもあると思います。嫌がらせ以上の何かがあったのかもしれません。それは観る人の想像で補ってください。実話ではないのですから。
初めに紹介しましたが、見終わった後のひとは是非町山さんの解説を読むといいと思います。

菊地成孔先生の『セッション』批判について – 映画評論家町山智浩アメリカ日記

映画の醍醐味とは

この映画を観て”幸せ”になることは間違いなくないです。この映画の主人公は、いろんなものを犠牲して何かを得ようとします。でもこれは”狂気”に近い物を感じます。こんなことしていたら間違いなく幸せにならないと思ったりします。彼女に対したり、家族に対しての態度を見れば。それでも偉大なひとはそういった”狂気”を持っているから、すごいのかもしれません。凡人では手に入れられないし、入れようと思えないくらい考えられもしないことを成し遂げるのが偉人なのですから。完全に悪のひとがいるから薄らぎますが、はっきり言って主人公は周りにかなり迷惑かけていますし。

音楽って楽しい、人生って楽しいと思いたいひとは「はじまりのうた」をみましょう。

何も泣くだけが映画ではないです。笑ったり、悲しんだり、そして怒ったり、観ている私たちの感情を揺さぶるという経験ができるから映画は素晴らしいんです。いろいろな経験ができるから映画って楽しいんです。

バードマン」は、想像が少し必要なので映画をある程度観ているひとじゃないと置いてかれる感じもしますが、セッションは必死にしがみついて観ていく感じの映画なので、どなたでも観れる映画だと思います。バードマン”無知”こちらは”鞭”です。セッションという題名で観るかどうか判断するより、鞭を叩きつけるというこの原題を認識してから観ることをお勧めします。

教師役J・K・シモンズはアカデミー賞助演男優賞を取っています。言うまでもなく狂気に満ちた演技です。そのほか、編集賞、録音賞受賞しています。

どうでも良いですが、主人公の好きになった女の子超可愛いです。そしてあの結果(電話)すごーくよく分かります。あの表情。
舞台袖から息子を観る父親のあの表情。あれも必見。

デート向き映画ではありません。観客の立場から観れる映画です。どんな顔でこの映画を皆さんが見られるか気になります。私はずっと眉間にしわ寄せがなら見ていました。

ちょうど、TOHOシネマズ新宿オープン初日で見ました。そういった意味でも忘れがたい生涯に残る傑作映画でした。

【2015.5.16追記】
立川シネマシティにて”極上音響上映”にて再鑑賞しました。当劇場ではかつて、「パシフィックリム」の爆音上映会でも話題になりました。
この劇場とにかく音が良い!!素晴らしいです。私は高校、大学時代ここの映画館にずっと行ってて当たり前でしたが、当時から音がよかったんですかね。久しぶりに行ったらすごい良いなって感動しました。音が良い詳しい理由は以下記事ご覧ください。

5つの劇場すべてにコンサート用スピーカーを配し、作品ごとに音響の専門家に調整してもらっているという。目指すは、他の映画館では体験できない特別感だ。
引用:【映画と生きる】最高の音響空間で臨場感あふれる体験を 東京・立川シネマシティの「極音上映」…ユーミン、ドリカムの担当が調整(1/3ページ) – 産経ニュース

セッションまた観たいなと思っていたんですが、DVDじゃ嫌だなって思っていたんです。せっかく観るなら良い音のところで観たかったんですが、正解でした!!すっごく感動しました!ラストのCaravanは鳥肌立ちました。カタルシスが半端ありません。すみません、音響の詳しい専門知識は持ち合わせていないので素人意見ですが、劇場が低音で揺れるという経験はIMAXなどでもありますが、それとは違った印象を持ちました。その作品に合わせて、丁寧に音を大きく出す時出さない時を調整している、なんとも言い難いちょうど”良い音”なのです。映画館で観て本当に良かったと思えた感動の時間でした。

内容についてですが、2度目は結末が知っているので細部をよく見れてまたいろいろ発見があります。「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」でも言われていましたが、色の演出も、登場人物の視線や心情の変化もよく考えられているなと思いました。女の子の見せ方もうまいですよね。はじめの正面からのアップ、あれは可愛すぎてやられます。

そして、フレッチャーと父親との対比。それが上手いから、主人公の生まれから今までの葛藤などそれをそのまま映像として見せなくても伝わってきます。そして、あそこまで”狂気”にならざるを得なくなったことも、それをコントロールしようとしたフレッチャーの残忍さも。

最高のカタルシスを与えてくれる満足度の高い映画でした。

読んで頂いて、ありがとうございます。

●参照

○予告

公式サイト

○参考に読んだおすすめ感想ブログ/サイト
望んでいた奏者 映画『セッション』ネタバレなし感想+ネタバレレビュー カゲヒナタのレビュー
話題騒然のジャズ映画(?)『セッション』、絶対支持宣言! – Real Sound|リアルサウンド
ノラネコの呑んで観るシネマ セッション・・・・・評価額1800円
【映画】『セッション』レビュー | ビーグル the movie
映画「Whiplash」(邦題「セッション」ってマジか?!)感想~梶原一騎や星一徹の生まれない時代の、愛すべき音楽ド根性映画 | THE MAINSTREAM
映画『セッション』感想、J・K・シモンズの狂気!!圧巻のクライマックス!! – A La Carte
『セッション』この狂気に引っ叩かれる。 A+ | Emotion3.2
セッション 『こんなに迫力と狂気が滲み出た音楽映画は初めて観た!!』 – ヒルズの映画鑑賞日記
映画『セッション』の原題『WHIPLASH』の意味は?アカデミー賞3部門受賞作! |
【映画】『セッション』レビュー | ビーグル the movie
超映画批評「セッション」98点(100点満点中)
佐藤秀の徒然幻視録:セッション~No Two Words

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