#202 バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)/君は一体何を望んだのだろうか?

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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) /満足度★★★★☆(4.5)Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance)/ジャンル:ブラックコメディ?(ダークファンタジー?)/120分/監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ/製作:2014年,日本公開:2015年/アメリカ/配給:20世紀フォックス映画

 

飛べ、イカロス!お前はバードマンだ!

▼Gnarls Barkley – Crazy(本編では流れませんが)

▼後で読む。

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ストーリー説明
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かつてヒーロー映画『バードマン』で一世を風靡(ふうび)した俳優リーガン・トムソン(マイケル・キートン)は、落ちぶれた今、自分が脚色を手掛けた舞台「愛について語るときに我々の語ること」に再起を懸けていた。しかし、降板した俳優の代役としてやって来たマイク・シャイナー(エドワード・ノートン)の才能がリーガンを追い込む。さらに娘サム(エマ・ストーン)との不仲に苦しみ、リーガンは舞台の役柄に自分自身を投影し始め……。

引用:シネマトゥデイより

○感想
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まずはじめに、この映画は一般ウケはしないかもしれません。
「バードマン」という名前からヒーローアクション映画だと思ったら、この映画の作り手に鼻で笑われてしまうかもしれません。
また、「落ちぶれたかつてのスターが再起をかけたコメディ映画」と思っても印象が違う映画だと思います。(思わず笑ってしまうシーンもあるのですが)

この映画”ダークファンタジー”ですかね。普段映画を観ない人よりも、映画好きに特に勧めたい映画でもあります。そのわけは後ほど。

とにかくセリフが多い映画。しかも演劇的な観念的(哲学的)なセリフが多いです。意味不明だと思ってしまう方もいらっしゃるかと思います。それこそがまたこの映画の一貫としたテーマでもあるのですが、どこが現実なのか?どこまでが本当なのか?カットがないように見せる上手い撮影技法により、現実と虚構を自然と分かりにくくしています。そこの区別は私たち観客が埋めて観る映画なのです。

想像してください。と投げかける映画です。

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バベル」などのアレハンドロ・G・イニャリトゥが監督。

ヒーロー映画「バードマン」の元主演俳優役に「バットマン」シリーズのマイケル・キートンがふんするほか、「ハルク」のエドワード・ノートンや「アメイジング・スパイダーマン2」のエマ・ストーン、「キングコング」のナオミ・ワッツが共演。「ゼロ・グラビティ」のエマニュエル・ルベツキ。

今年のアカデミー賞では作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞の4部門を受賞しているのが今作。

冒頭のアルファベットの文字がランダムに画面を埋められて、バックでドラム演奏が被さる感じ最高にクールですよね!かつ劇中、実際に即興演奏のドラムが重なるところとか最高です。ジャズセッション素晴らしい。

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ストーリーは、かつて多くの名声を得たが、今は誰もが昔のヒーローとして認識される落ち目のおやじのリーガン。再起を賭け、自ら主演、演出、宣伝をする舞台レイモンド・カーヴァーの「愛について語るときに我々の語ること」を公演。しかし、思いもしないハプニングがあり、舞台がめちゃめちゃになって。。。

この落ちぶれたヒーローが望んでいたことって何でしょう。これまで積み重ねて得た”名声”でしょうか。案外身近な家族との絆かもしれません。ひとって、一度手にしたものをずっと持っていたいと思う生き物なのでしょうか。

老いて、みすぼらしくなる自分。人に忘れられる恐怖、惨めさ。それが全開で表現されています。主人公の抱える不安や恐怖は主人公のような輝かしい経歴を持っていない人にも少なからず持っている普遍的なものだと思います。だからこそ、承認欲求を満たすために、自分の存在を知らせるために、twitterなどのSNSを使うのですから。ひとはみなエゴを持つのです。

最近観た「シェフ 三ツ星フードレストラン始めました」でも同じようなことが描かれてましたが、作り手側の強い思いがこもっている映画だと思います。

予告にもある、バードマンが後ろについて、指をパチンと叩くことで建物を崩壊していくシーン。これ、映画好きな人は絶対!ニヤリとしてしまう展開ですよね。大好物なシーンだと思います。

そうです。”私たち”は、

バカなことが好きだ。血が好きだ。アクションが好きなんだ。うっとうしい哲学的な戯言のおしゃべりではなくて。

皮肉な意味で印象的で使われていますが、演劇ではできない映画の魅力がそこにあります。それは役者としての”演技”の力なのか、”芸術”なのか?と言われたら、演劇界の権威の方から見たら、低俗的なものなのかもしれません。でもそれでも、私たち観客は喜んで観ます。この映画で言わんとしていることは一体なんなのか?いわゆるヒーローもの娯楽映画を批判しているのか、それともその魅力のひとつを再提示しているのか?

私はきっと、その両面を見せてくれているのだと思います。芸術的嗜好の強い”演劇”も娯楽性の強い”映画”もどちらも素晴らしいもので、どちらでも共存できるのだと。

やっぱり、映画愛がつまっている映画だなと思いました。観客の想いも、そして映画を作り出す人たちの想いも代弁してくれる、そんな映画だと思います。

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ラストシーンをどう解釈するかは、見る人によって様々なだと思います。ちなみに私は、以下の記事のような解釈がしっくりきます。(当然ネタバレありなのでご注意を)

ラストの解説も 推測です – ユーザーレビュー – バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) – 作品 – Yahoo!映画

イカロス。「銀翼のイカロス」という本の感想のときに書きましたが、イカロスの羽の話の教訓は、諸刃の剣だったり、物は使い様ということであったり、驕り高ぶるなということかもしれません。身の丈にあった欲を持ち、それに合うだけのことを尽くせばきっと、気持よくその人なりのきれいな空を飛べるんじゃないかって。

きっとこれはひとりの惨めだけど最高にクールなコメディなんだと思います。本当に望んだものを手に入れた男の物語。
青い空を見上げて笑いたくなる、素晴らしい映画でした。

読んで頂いて、ありがとうございます。

●参照

○予告

▼Brent Smith – Don’t let me be misunderstood (BIRDMAN TRAILER OST)

公式サイト

○参考に読んだおすすめ感想ブログ/サイト
これは即興のジャズ演奏だ─イニャリトゥ監督が『バードマン』をワンカットのように撮った理由|本年度アカデミー4部門受賞作、かつてスーパーヒーローを演じた落ち目の俳優の再起を描く – 骰子の眼 – webDICE
映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』感想、今まで見たことの無い新感覚の凄い「コメディ」映画…タイトルの意味も深く心に染みる… – A La Carte
映画「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」を見た! : 豆ひじきは、言いたいことをアラカタイウタ
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