
満足度★★★★(4)
皮肉たっぷりのヒーロー小説!
●伊坂幸太郎の本レビュー一覧
伊坂幸太郎の本、19冊目のレビューです。
#001 重力ピエロ(2008年3月)
#013 ゴールデンスランバー(2008年7月)
#015 死神の精度(2008年7月)
#021 グラスホッパー(2008年7月)
#023 I LOVE YOU(透明ポーラーベア)(2008年8月)
#031 チルドレン(2008年8月)
#032 砂漠(2008年8月)
#033 終末のフール(2008年8月)
#039 ラッシュライフ(2008年8月)
#061 モダンタイムス(2009年3月)
#071 SOSの猿(2009年12月)
#072 バイバイ、ブラックバード(2011年6月)
#074 マリアビートル(2011年6月)
#082 残り全部バケーション(2012年11月)
#088 ガソリン生活/伊坂 幸太郎(2013年3月)
#099 死神の浮力/伊坂 幸太郎(2013年9月)
#104 首折り男のための協奏曲/伊坂幸太郎(2014年2月)
106 アイネクライネナハトムジーク/伊坂幸太郎(2014年10月)
※作風が似ているかなぁと個人的に思ったものを緑にしています。
1.オーデュボンの祈り(2000年12月)
2.ラッシュライフ(2002年7月
3.陽気なギャングが地球を回す(2003年1月)
4.重力ピエロ(2003年4月)
5.アヒルと鴨のコインロッカー(2003年11月)
6.チルドレン(2004年5月)
7.グラスホッパー(2004年7月)
8.死神の精度(2005年6月)
9.魔王(2005年10月))
10.砂漠(2005年12月
11.終末のフール(2006年3月)
12.陽気なギャングの日常と襲撃(2006年5月)
13.フィッシュストーリー(2007年1月)
14.ゴールデンスランバー(2007年11月))
15.モダンタイムス(2008年10月))
16.あるキング(2009年8月)
17.SOSの猿(2009年11月))
18.オー! ファーザー(2010年3月)
19.バイバイ、ブラックバード(2010年6月
20.マリアビートル(2010年9月)
21.PK(2012年3月)
22.夜の国のクーパー(2012年5月)
23.残り全部バケーション(2012年12月)
24.ガソリン生活(2013年3月)
25.死神の浮力(2013年8月)
26.首折り男のための協奏曲(2014年1月
27.アイネクライネナハトムジーク(2014年9月)
28.キャプテンサンダーボルト(2014年11月)※阿部和重との共作
29.火星に住むつもりかい?(2015年2月)
●あらすじと感想。
住人が相互に監視し、密告する。危険人物とされた人間はギロチンにかけられる―身に覚えがなくとも。交代制の「安全地区」と、そこに配置される「平和警察」。この制度が出来て以降、犯罪件数が減っているというが…。今年安全地区に選ばれた仙台でも、危険人物とされた人間が、ついに刑に処された。こんな暴挙が許されるのか?そのとき!全身黒ずくめで、謎の武器を操る「正義の味方」が、平和警察の前に立ちはだかる!
今年、「グラスホッパー」が映画化されますが、この小説も映画化映えしそうな気がします。
アクションがすごいし、ラストのあれは映像でぜひ観たい。
”魔女狩り”って知ってますか?
中世ヨーロッパに起きたことで、社会の不安などを全て”魔女”のせいとして、少しでも危険なひとを処刑してしまうようなこと。そのために密告したり、これもかと思うような拷問などして、無実だけど自白せざるを得ない状況を作り出した恐ろしい制度。
現代の魔女狩りとして、”平和警察”という公的に危険人物を未成年と関わらず見せしめに刑に処する組織があります。町中にカメラを取り付け監視する社会。犯罪を起きないようにでっち上げ、死刑を見せしめに行う矛盾した社会。
平和警察に立ちはだかる人物として、バッドマン的なヒーローが現れます。
伊坂幸太郎さんは、今作を以下のように述べています。
魔女狩りVSバットマンin仙台
ヒーローものといえば、”武器”ですよね。スパイダーマンの糸しかり、かっこいいんですよね。伊坂幸太郎の考えるヒーロー像も好きですし、このヒーローの持つ”武器”がまた素晴らしい!!!ぜひ映像化してほしい。○○男誕生です。
あ、タイトルの『火星に住むつもりかい?』は、デヴィッド・ボウイの名曲『LIFE ON MARS?』から取っていて、宇宙モノとは全く関係ないのでご注意を。
好きなセリフは、以下。
「社会の人の考え方も、一つに揃えないほうが自然な状態だと、私は思うんですよ。全体の力を弱くなりますが、安定します」
「ヒーローは、目につく不幸な人間を、全員、救わなくちゃいけないのか」って問題があります。
ヒーローは全員を救わないとならないのか?救わないと所詮偽善なのか?そもそも善行でやるものなのか?そのひとつの答えが非常に面白い!私この答えとっても好きです。そりゃその人を助けるよな。。。
エンターテイメント小説といっても、伊坂幸太郎作品としての魅力の、すっきりする伏線や独特なキャラクター、ウィットに富んだセリフなどは少ない気がします。
得体のしらない”闇”に挑む「ゴールデンスランバー」「モダンタイムス」あたりの伊坂幸太郎作品が好きなひとにオススメです。
読んで頂いて、ありがとうございます。
参照
◆楽天ブックス: 著者インタビュー -伊坂 幸太郎さん「火星に住むつもりかい?」
◆伊坂幸太郎さんの<火星に住むつもりかい?>【紙飛行機ドットコム】
◆「火星に住むつもりかい?」 伊坂幸太郎 光文社 ★★★★|水底の本棚
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