#193 おみおくりの作法/静かな人生の中にある確かな重み

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おみおくりの作法 /満足度★★★★(4)Still Life/ジャンル:ヒューマンドラマ/91分/監督:ウベルト・パゾリーニ/製作:2013年,日本公開:2015年/イギリス=イタリア/配給:ビターズ・エンド

 

平凡な人生の積み重ねに残されたものが深くて重い。

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ストーリー説明
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公務員のジョン・メイ(エディ・マーサン)は、ロンドン南部ケニントン地区で亡くなった身寄りのない人々の葬儀を執り行う仕事をしている。いくらでも事務的に処理できる仕事だが、律儀な彼は常に死者に敬意を持って接し、亡くなった人々の身内を捜すなど力を尽くしていた。糸口が全て途切れたときに初めて葬儀を手配し、礼を尽くして彼らを見送ってきたが……。

引用:シネマトゥデイより

○感想
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たったひとりで亡くなった人(いわゆる孤独死)の葬儀を行う仕事をしている真面目な男のお話です。
イギリス映画です。規則正しい生活を送っている男の静かな日常が主なので、とても淡々と話は進みます。そこが肝なのですが、退屈だと思う人は退屈な映画なのかもしれません。また、”死”をテーマにしてますから、少し重い話かもしれません。面白い話ではないのは確か。でも素晴らしい映画です。(小津安二郎監督の死生観が表れた晩年の作品を意識しているそうです。なので正面のカメラアングルや、間が空いた演出などがされています)

観る人の感想によって、その人の死生観がわかるかもしれません。

死について考えることは、同時に”生きる”ことについても考えさせられます。自分がどう最後を迎えるか、どう迎えたいかを考えることで、今の生き方が変わると思います。この映画、私が見た時は、やはり年配の方が多かったですが、若い人が見ても良いと思います(退屈だと思う方もいるかもしれませんが、90分の映画なので)。

物心ついたときって、”死”について考えませんでしたか?(自分だけ?)私は、「いちご同盟」という小説を読んだとき、結構真剣に考えてました。。。

自分がどう最後を迎えたいか考えた時、今やりたいことがなんとなーく決まる気がします。自分は死ぬとき、「(いろいろあったけど)笑えた」って言って、みんなにありがとうって伝えて最後になればいいなぁって思ってます。

究極的に言えば、それがいつ起きてもできるように生きていけばいいわけですが、この映画の主人公の男も多くの死んでいったひとたちの後を観て、きっと誰よりも(自分の)死について考えていただろうし、そのために自分ができることをまっすぐ一生懸命やって生きてきたと思います。それがとっても伝わってくるんです。

観る人によっては、つまらない生き方だなんて思うかもしれませんが。でも!良い人生送ってた!!!!って言えるんです。それが最後にわかります。だからこそ、どんなひとでも元気が出る映画なのだと思います。慰めとかでは決してないですよ。

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主人公のジョン・メイというひとはどんなひとかというと、公式サイトにずばりありますので、ちょっと見てみてください。画像あってわかりやすいので。

とにかく誠意をもって人に接していたことが分かります。たとえそれが死者に対してだったとしても。死んでいったひとのために、孤独死したひとの家族を見つけようとしたり、葬礼の音楽を選んだり、その人にあった弔辞を書いたり、合理的に考えたら全く意味のないことなのですが、ひとを思いやる気持ちってやっぱり一番大事だと思います。

イギリスって島国ですし、日本と似ているんですかね。孤独死が同じように問題になっているのでしょうか。核家族化が進んで、ご近所との付き合いも減り、こういったひとは増えているのかもしれません。

自分の身近なひととのつながりが、人生をより豊かにするのだということが、ジョン・メイが今まで食べたことのなかったアイスを食べたり、ホームレスのひととウィスキーを一緒に飲んだりするシーンから見えた気がしました。

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題名から、日本の映画「おくりびと」に似ていると思う方もいるかと思いますが、少し違う気がします。あれはどちらかというと残されたひとへの優しさだと思うので。
そうじゃなくて、この映画は、誰もが持っている心の奥底に必ずある”死への不安”を解消してくれるような映画だと思います。

だからこそ、ああいうラストなのだと思います。だから良かったし、胸打つものがありました。
20年後、40年後また観たい映画だと思いました。

読んで頂いて、ありがとうございます。

●参照

○予告

公式サイト
公式Facebook
公式Twitter

○参考に読んだおすすめ感想ブログ/サイト
「おみおくりの作法」葬式は生きている者の為だと思ったけど、そうでも無いのかもね。|ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!
おみおくりの作法|読んで♪観て♪
「おみおくりの作法」 孤独な死を送る男 最後の旅 – 沢木耕太郎 銀の街から – 朝日新聞デジタル&M
「おみおくりの作法」の料理 | Food Watch Japan
イギリス料理って本当に美味しそうに見えない。。。

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