#185 インターステラー/いつでも上を見て歩きたいから

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インターステラー  /満足度★★★★☆(4.5)Interstellar/ジャンル:SF(宇宙、人類愛、家族愛)/169分/監督:クリストファー・ノーラン/2014年/アメリカ

 

物理学の上位にある人類の愛を描く哲学的SF大作映画!

◆Hans Zimmer – 17. First Step (Interstellar – Original Motion Picture Soundtrack)
http://youtu.be/PapET4flSP8

▼後で読む。

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ストーリー説明
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近未来、地球規模の食糧難と環境変化によって人類の滅亡のカウントダウンが進んでいた。そんな状況で、あるミッションの遂行者に元エンジニアの男が大抜てきされる。そのミッションとは、宇宙で新たに発見された未開地へ旅立つというものだった。地球に残さねばならない家族と人類滅亡の回避、二つの間で葛藤する男。悩み抜いた果てに、彼は家族に帰還を約束し、前人未到の新天地を目指すことを決意して宇宙船へと乗り込む。

引用:シネマトゥデイより

○感想
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「ダークナイト」シリーズや「メメント」「インセプション」のクリストファー・ノーラン監督の映画です。

壮大な世界観、そのSFの複雑さ(それでいてリアル感)は、「インセプション」に似ている気がします。映像がすごいです。圧倒されます。もはや監督の定番となりつつある、”時間軸”の面白さも健在です。また、今回は”家族愛”もテーマにしているだけあって、ヒューマンドラマ部分も丁寧に描かれてます。

あえてこの映画を前編、中編、後編と3つに分けるとしたら、前編が自らの使命と家族を愛する気持ちとの葛藤を丁寧に描いています。中編は、宇宙へ。そして、後編がカオスかな。。。

それ以上は語りませんし、というか語れません。圧倒的な世界観と、父と娘の絆を描いた作品なのです。

どんな人が観て楽しめるか?

ついていけない人は、ついていけなくなるかもしれません。なので、一般層向けの映画ではないと思います。自分は「インセプション」劇場で観た時、圧倒されて、家族におすすめして(DVDを)見せたら、感想が「疲れちゃった」でしたから、この「インターステラー」も見る人が見たら、上映時間も3時間もありますし、疲れてしまう映画かもしれません。内容もちょっと複雑ですからね。1回目でも十分楽しめますが、2回観た方が理解できるかなと思いました。やっぱり噛みしめて楽しむ映画なんだと思います。

端的にこの映画を表すと、カゲヒナタのレビューのヒナタカさんが分かりやすく言い当てているので、引用させて頂きます。以下をまず読んでから、映画を観るかどうか決めると良いと思います。(とりあえずデートムービー的なのではないですね。。。)

本作は大衆向けの娯楽大作ではなく、ノーラン監督ならではの哲学的な人間についての考察、リアルスティックなSF設定を期待して観るべき作品と言えます。
◆引用:私の幽霊 映画「インターステラー」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー カゲヒナタのレビュー

個人的には、やっぱりノーラン監督の映画を観たことある人が観た方が入りやすいかなと思います。何から見たらいいかと聞かれたら、「メメント」がおすすめです。ノーラン監督の世界観が分かると思います。(自分はメメントを見てから夢中になったのもあり。。)

子どもの頃、ブラックホールとか、宇宙はどこまであるのかとか、人類の起原とか、そういう物理学的、また哲学的であることに興味を持ったひとは、たまらない映画ですね。理論物理学者の本が原案になっているそうです。
▼参照:『インターステラー』に原作はありませんが、原案は理論物理学者キップ・ソーンの『ブラックホールと時空の歪み―アインシュタインのとんでもない遺産』です – A LA CARTE

でも、ひとつ言えるのはSF映画好きは絶対観たほうが良いということ。しかも映像が綺麗な映画館で。私は、IMAXで観ました。こういう映画は小さい画面で観ても伝わらないなぁって思ったからです。(トウモロコシ畑を暴走する、あの冒頭シーンも素晴らしいです。この後の展開にワクワクします。)

「相対性理論」「マーフィーの法則」やらちょっと気難しめな用語出てきますが、知らなくてもとりあえず大丈夫です。それよりも映像を、物語を楽しみましょう。そういう映画です。物理学的なことに詳しい方が見ても楽しめる映画ということです。

私は、この映画観て、こういう映画でしか表現できないことがあるから、映画って良いよなぁってワクワクしました。これを文章にしたら伝わらないと思います。映像、音、物語、全てを網羅した表現技法が映画だな!って、その映画の今後の可能性にまだまだ期待できると思います。

個人的に失敗したのが、夜に見たかったなぁということ。朝イチで見てしまったので余韻が。。
見終わった後、空を見上げたい。下を見て歩くのではなく、堂々と夜空を見上げて歩いて行きたい、そんな風に思える映画でした。

※以下多少ネタバレありです。前情報なく観た方が良いかなぁと思いますので、宜しければ見終わった方が読んで頂ければと思います。(基本的に、皆さんが言及していることの引用になってますが。。大体その記事読んで頂けば良いと思います。書くことがなくて、まとめ記事になってます。)

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どんな映画を思い出させるか?

◯宇宙

キューブリックの「2001年宇宙の旅」へのそれへの挑戦している映画とのことです。CGも使わず、フィルムで撮っているとのこと。(すみません、私は、この映画しっかり観てないので語れないですが。30分くらい観て寝てしまったので)

宇宙を描くだけでなく、科学的なことや宗教、そして家族を描いた作品として、ロバート・ゼメキスの「コンタクト」を彷彿させます。息が詰まる用なあの宇宙の迫力と密室されたドキドキ感は、昨年大ヒットしたゼロ・グラビティを。

地球を、人類を救うために男が名乗り上げるということだけ観ると、「アルマゲドン」に似ている気がしますが、その経緯はちょっと違うと思います。「人類のために」or「自分の守りたいひとのために」という二律背反的な命題が出てきます。もっと深い”愛”を描いた映画になっていると思います。

◯「ブラックホール」「ワームホール」「ウラシマ効果」「相対性理論」「特異点」「次元を超えて」「ワープ」

「インセプション」でも、あの夢の表現は、日本のアニメ「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」が先に描いていたという話もありましたし、今回のインターステラーも、表現技法は違えども、「トップをねらえ!」「トップをねらえ2!」「四畳半神話体系」と設定が似ている部分があるとのこと。そうだとして、どうこうの問題でもないんですけど。こういうことは誰もが興味を持つ問題ですので、「インターステラー」はその圧倒的な実車の描き方が秀逸なのだから。
「インターステラー」のSFっぷりは一体どれぐらいで何がスゴイのか、SF小説とかSF映画とか大好き野郎が見るとこうなる – GIGAZINE

上の町山智浩さんのツイートを見て、「ドニー・ダーコ」も予め観てました。「タイムループ」的なこと、自分を犠牲にして人類を救うということは、「ドニー・ダーコ」と確かに似ているのかなと思いました。割と哲学的な世界観はどちらも好きです。

◯AIの愛嬌

TARSという人口知能ロボットは、「月に囚われた男」人工知能ロボット・ガーティ一を思い出しました。こちらはかなり切ないです!人口知能という次元超えますから。

◯父と子の絆

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自分、こういう歳月を経て、、、、、という人間ドラマ弱いんですよね。。時空を超えての辺りたまらない。ので、「オーロラの彼方へ」好きな人にも観て欲しいです。

実は、3度泣きました。父に見捨てられたと悲しむ娘と、娘への愛を伝えたいけど伝えられないその悲しさと悔しさに涙して、そして、その一方通行だった互いの想い、父と娘の想いがつながったとき、そして、ラストのあの瞬間、思わず涙しました。

また、トウモロコシ畑と野球は「フィールドオブ・ドリームス」そのもの。ノスタルジーも感じますね。こちらは父親と息子の映画でした。野球って、なんでこうも平和な雰囲気が出るんでしょうか。アメリカンスポーツだからですかね。”打ち上げられる”ところもなんかすかっとする、そこがロケットとも似ていてい、”希望”も感じます。

音楽について

そして、音楽も良いです。ハンス・ジマーの曲です。今回はオルガンが世界観を味を出してます。
▼参照:『インターステラー』の音楽にまつわる3つのおもしろ話〜オルガンは何とイギリステンプル教会のもの!など〜 – A LA CARTE

それにしても、この希望のはじまりを予感させるこの音楽の力はすごい。
http://youtu.be/rS7veLr8hv0

その圧倒歴な世界観とリアリティ

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インターステラー」とは、「星と星の間の,惑星間の」という意味です。この映画では、「星間航法」ということで使っています。つまり、この広い宇宙の別の遠い場所へ移るためのワープホールみたいなものです。時空のトンネルですかね。もっと単純に言えば、どこでもドアです。そこを通過することで、普通では何万年もかかるくらい遠い場所に一瞬でいけてしまうということです。

そして、4次元、5次元と話が広がっていきますが、その辺はこちらの図を見てもらえば、なんとなーく、その複雑さ(笑)が分かると思います。

以下にある通り、かなり物理学的に考えられている映画です。
映画「インターステラー」に出てくる数式は理論物理学者キップ・ソーンが監修 – GIGAZINE

現実に起こり得るかどうかは、以下の記事をお読み下さい。

[L] 映画「インターステラー」をみる人に届けたい5つの豆知識 | ライフ×メモ

テーマは?

インターステラーの映画コンセプトのひとつに以下があるようです。

人類の次なる一歩(=Mankind’s Next Step)

基地へ戻るアメリア飛行士。
その先には光り輝く故郷のような少し進化した基地が映る。
それがラストカット。「人類の次なる一歩」の希望が込められたラストカット。
クーパーがここに到着して新たなる人類の歴史が始まるような気がする。
◆引用:【※ネタバレあり】『インターステラー』、クライマックスシーンを紐解いて映画のメッセージを整理してみる – A LA CARTE

町山さんのラジオで言及していたことですが、
インセプションでは、他人の心の深層心理の奥深くに入り、囚われてしまう、それじゃあ先には進めないということがテーマだったと言っています。

そして、インターステラーは、

人間、内側とか下とかばっかり見てないで、外を見ろよ!外に出ろよ!』と。『上を見ろ!空を見ろ!星を見ろ!宇宙を見ろ!』。それを言いたかったんだと。
参照:町山智浩 クリストファー・ノーラン『インターステラー』を語る|miyearnZZ Labo

※ウルトラマンタロウの引用を表現として使っています。

人類の進化”は、まず上を見ることから始まると思います。可能性にかける想いだと思います。一歩一歩。その一歩が、時間が過ぎ、周りを観ると観たこともないような、希望のある”未来”が見えるのかもしれません。

映画に度々出てくるディラン・トマスの詩です。以下の詩私は好きです。

「穏やかな夜に身を任せるな。
日暮れに老いても、燃やせ。
消え行く光に向かって 怒れ、怒れ」

▼参照:『インターステラー』に出てくる詩の紹介と解説〜イギリスの詩人ディラン・トマスの 『Do Not Go Gentle Into That Good Night(あの快い夜のなかへおとなしく流されてはいけない)』〜 – A LA CARTE

その一歩は怖くても、力強いメッセージを感じます。自分はすごくわかります。怒りから、ものすごい原動力って生まれると思うからです。怒りや悔しさというある種マイナスの要因から生まれる人間の”生”への執着があるから、何かが生まれるんだと思います。マーフィがトウモロコシ畑に火を放った理由もそこにあるのかなと自分は解釈しました。何もできない自分、正しいことも分からなくなる憤り、不安な世界に悲観する気持ちを打破したい気持ち、ある種ふっきれた”気持ち”がそうさせたんじゃないかって。

読んで頂いて、ありがとうございます。

●参照

○予告

公式サイト

○参考に読んだおすすめ感想ブログ/サイト

圧倒的な情報量の柳下さんブログ記事一覧↓
『インターステラー』の徹底したリアル撮影志向はもはや笑えるレベルw〜約200万平方メートルのコーン畑、グリーンスクリーン使わない、など〜 – A LA CARTE
→そのリアルすぎる世界観を作り出せているわけはこちらを読めば謎が解けます。
【ネタバレなし】『インセプション』と『インターステラー』の製作きっかけの違いから映画の真面目度を検討する – A LA CARTE
【ネタバレなし】『インターステラー』感想、映画と人知の究極中の究極がここに。涙なくして見れない驚愕の結末へ、169分の壮大な冒険が始まる! – A LA CARTE

ヒナタカさんの文章力にはいつも感嘆とさせる力があります。当然観た後にネタバレを読むのですが、好きな映画をさらに好きにさせる魔力を持つ映画評を書いてくれます。締めの部分とか読むと、いつも「うわっ」って感動します。↓
私の幽霊 映画「インターステラー」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー カゲヒナタのレビュー

『インターステラー』宇宙の果てで触れたもの。 ★★★★☆ | Emotion3.2
インターステラー (2014)【映画】2014年宇宙の旅 | コタノト!
シネマ・クレシェンド : 【映画】クリストファー・ノーラン 『インターステラー』壮大!!
クリストファー・ノーラン監督新作『インターステラー』は、宇宙版インセプション&パパは号泣必至:小鳥ピヨピヨ
[L] 映画「インターステラー」をみる人に届けたい5つの豆知識 | ライフ×メモ
「インターステラー」35mm film特別上映決定! | 丸の内ピカデリー | 松竹マルチプレックスシアターズ
『インターステラー』を観る前に観ておきたい5つの映画 | Ciatr[シアター]

◆映画『インターステラー』スペシャル映像

◆メイキング映像


「インターステラー」13分間におよぶ特別映像が公開! : 映画ニュース – 映画.com

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