
思い出のマーニー /満足度★★★★★(5)When Marnie Was There/ジャンル:アニメ(ジブリ)/103分/監督:米林宏昌/2014年/日本
自分って内側のひと?外側のひと?
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ストーリー説明

心を閉ざした少女杏奈は、ぜんそくの療養を目的に親戚が生活している海沿いの村にやって来た。そんなある日、彼女の前に誰もいない屋敷の青い窓に閉じ込められた、きれいなブロンドの少女マーニーが姿を見せる。その出会い以来、杏奈の身の回りでは立て続けに奇妙な出来事が起きるようになるが、それは二人だけの秘密だった。
引用:シネマトゥデイより
○感想

思い出のマーニー。
メディアであまり情報少ないように感じました。公式の予告編も最近HPで公開されてましたよね。
予告編だけ見てどう思いましたか??(特に特報のときの)
自分は、”ジブリ”とは言いつつも、正直そこまで惹かれませんでした。
「え、何の映画?百合?」て感じでした。
※”百合”についての意味は以下へ。
▼【オチのネタバレ無し】『思い出のマーニー』は百合という風潮。マーニーの正体が◯◯である以上Yesではない(と思う) – A LA CARTE
いろいろ観方はあります。でも、自分はもっともっと深いテーマだと思いました。テーマもしっかりしてると思います。だけれども、なかなか語れないのはわけがあります。できれば前情報なく観てほしいです。
(※観る前にwikipediaを読んだら絶対ダメです!!!リンク貼りませんが、あらすじにネタバレあるので。。。自分見ちゃいましたが、、、)
でも、みんながみんな楽しめる映画でもないと思うので、それだと、どんなひとが観て良かったと感じるかわからないと思うので、少し感想書いてみます。出来る限りネタバレするという方向ではなく、その魅力を伝えたいと思います。
まず、率直な自分の感想です。
号泣でした。
初めにも書きましたが、正直期待しないで観てたんです。
昨年公開、宮﨑駿監督映画「風立ちぬ」。絶賛している方も多かったですが、自分はあんまりはまりませんでした。
▼#112 風立ちぬ
でも、先日「映画について語ろう会」というイベントを開き、思い出のマーニー公開前ということでテーマをジブリして、ジブリ好きな方にお話してもらったんです。
▼第3回「映画について語ろう会」開催レポート〜映画好き以外に見られてはいけない。〜
「一番好きなジブリ映画&ピクサーイズムを感じるジブリの未来」ということで、いち早く試写で思い出のマーニーも観られていたのでその話もして頂けました。以下のリンク先がその内容がお話していただいた柳下さんの記事です。
▼『思い出のマーニー』製作体制に感じたピクサーイズムと未来の展望 – A LA CARTE
そこで聞いた話で面白かったのが、思い出のマーニーの最近のジブリを観てると、(良い意味で)ピクサーイズムを感じると。
今までの”ジブリ”との違いは、製作過程の画像観ると一目瞭然なのですが、以下で表現できると。
・ジブリ=1人の絵コンテを寄って集まって作る
・ピクサー=みんなでストーリーを作り上げていく
ジブリといえば、やはり宮﨑駿監督の存在って大きいと思います。だからこそ、宮﨑駿監督1人の力が大きい。とっても!こだわりの強い方なので、細かいディテール含み、独裁的に製作されています。したがって一部は大絶賛して、私みたいなあんまり、、、というひとも生まれるのだと思います。
そして反対に、今回の「思い出のマーニー」は、脚本が3人いるとのこと。つまり、複数の目線でみて試行錯誤を重ね、映画を面白くさせているんです。もちろん、複数のひとがいるとある意味、ぶれとか折衷案とか生まれそうな気もしますが、決してそんなことないとっても良い(割と一般的に受け入れやすい)作品が生まれていました。
もう一度書きますが、百合的なテーマが主眼ではないと私は思います。
公開の初日の今日、7月19日が日本初の女性大臣が誕生した日、日本人女性2人がマッターホルンの北壁登頂に成功し、女性だけのパーティーとしては世界初の快挙を成し遂げた日という、女性に関する記念日ということで、”女性”をテーマにした映画として狙ったのかは分かりませんが、私は”女性”をテーマにした映画だとも思いません。
◯参照:今日は女性に関する記念日2つ!女性が活躍する社会はまだまだこれから! | ITで第二の人生を切り拓く、シニア起業家ブログ
もっともっと、深い意味での”愛情”を描いた心温まる映画だと思いました。
(「アナと雪の女王」や「マレフィセント」でも女性台頭や同性愛を暗に示した映画も最近ありますが、できればそっち方向の話にしたくないなぁ。。)
初めは私はそこまで評価高くなかったです。ただ、終わり30分前、10分前の展開がとっても好きで、そしてエンディングの「Fine On The Outside」の余韻が残る音楽のおかげもあり、とっても大好きな映画になりました。そういう意味で、じわじわ好きになるタイプの映画だと思います。
批判もありえそうな予感しますが、ホント好きなモノは好き、嫌いなものは嫌いで良いと思います。
→『思い出のマーニー』は傑作だが、出るであろう「ある批判」を事前予想してみる – A LA CARTE

主人公の少女杏奈は、いろんな理由で、少し暗い12才女の子です。女性って男性よりも大人びているので、12才ってとっても自分のこと周りのこと考える時期だと思います。家族が嫌いだったり、友達の言動にいらいらしたり、そしてそんな自分がとっても嫌いだったり。。
自分は、中学2年くらいの14才くらいのときを思い出しながら観ていました。友達も多い方ではなかったですしね、自分は杏奈と同じで”外側”の人間だと思ってました。暗めの主人公のその葛藤をちゃんと描いてとても良かったです。
その辺の感情は、主題歌であるプリシラ・アーンの「Fine On The Outside」を聞いてみてください。こちらは歌詞もあります。日本語に訳すと、「外側にいたっていい」という意味ですかね。聞いてみると、結構な”孤独”な感じの切ない曲で驚くと思います。(学校ではひとりで食べるのが好き、とか)そこが良いのですが。。
この映画のキャッチコピー2つあります。
ひとつは、
「あなたのことが大すき。」
そして、2つ目が、冒頭のモノローグのくだりに出ることば。
「この世には目に見えない魔法の輪がある。」
「この世には目に見えない魔法の輪がある。輪には内側と外側があって、私は外側の人間。でもそんなのはどうでもいいの。私は、私が嫌い」
と続くわけですが、”輪”を見出すものが、見えるか見えないかの違いなんですよね。
”魔法の輪”は誰にでもあるもの。とっても大事なものだと思います。
その大事なものを忘れずに、感謝して生きようと思いました。
思春期のひとにもおすすめな夏にぴったりの清々しい映画でした。

あ、ちなみに、北海道が舞台というのも良いですね。広大で自然が美しい。
そして、さすがジブリ、食べ物が美味しそうです。真っ赤なトマトに包丁を入れたときのみずみずしさや、朝食の目玉焼きを切るときのとろっとした感じ。それに煮物や魚、最高です。
読んで頂いて、ありがとうございます。
自分が好きな映画、本と似ているからこそ好きなのかもしれません。。
・#140 あなたを抱きしめる日まで/おばちゃまが素敵。”赦す”という意味が考えさせられます
・#142 ウォルト・ディズニーの約束/20年も映画化に反対してまでも守りたかったもの
・#148 チョコレートドーナツ/いろんな家族のかたち
・#004 秘密/東野圭吾
●参照
○予告
○参考に読んだおすすめ感想ブログ/サイト
◆『思い出のマーニー』感想、「ありがとう。」 – A LA CARTE
◆『思い出のマーニー』の原作の良さは「大人になる過程で失っていったものを思い起こさせてくれる」こと。 – A LA CARTE
◆【マーニーの正体ネタバレあり!】私にはマーニーが6人いた〜感謝を込めてネタバレありガチ感想〜 – A LA CARTE
◆思い出のマーニー(ネタバレ)|三角絞めでつかまえて
◆思い出のマーニー (2014)【映画】 | コタノト!
◆ずっと覚えている 映画「思い出のマーニー」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー カゲヒナタのレビュー
◆嘘だと言ってよマーニー! 思い出のマーニー – 小覇王の徒然はてな別館
◆『思い出のマーニー』 宮崎駿抜きでジブリは変わる? :映画のブログ
◆『思い出のマーニー』で歌ってるプリシラ・アーンって誰? ジブリ好きのアメリカ人シンガー | yossense
◆映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評 : 思い出のマーニー
◆「思い出のマーニー」をどう見る? 複雑なストーリーにはミステリーの要素も
◆清水 節 さんの『思い出のマーニー』短評 – シネマトゥデイ
◆映画『思い出のマーニー』の感想評価まとめ | Ciatr[シアター]
◆故郷・北海道に錦を飾る!ジブリ最新作『思い出のマーニー』にTEAM NACS全員の出演が決定!|リスアニ!WEB
◆『思い出のマーニー』は北海道を舞台にした初のジブリ作品! なぜ今まで避けていた? | シネマカフェ cinemacafe.net
◆まさかジブリに泣かされることになるとは。「思い出のマーニー」 – 窓の向こうに
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