
そして父になる 満足度★★★★☆(4.5)LIKE FATHER, LIKE SON ジャンル:ヒューマン 120分/監督:是枝裕和/2013年/日本
カンヌ国際映画祭絶賛に偽りなし
◆ざっくり要約!
是枝裕和
あらすじ:学歴、仕事、家庭において完璧なビジネスマンの良多(福山雅治)。しかし、6歳になる息子が実は、出生時に病院内で取り違えられた他人の子供だったことを知る。
相手側の夫婦はリリー・フランキーと真木よう子が演じる夫婦。小さな電気店を営んでて、福山の家庭と貧富の差がとっても激しい感じ。
”お受験”に励む、いちいち言動がかっこよすぎて好きになれない仕事人間の福山の家庭と、家庭の時間を大事にするなんだか笑っちゃうほど暖かいリリー・フランキーの家庭。
ある衝撃的な事実を知ってから、少しずつ少しずつ、福山が変わっていく。そんな映画。
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一言感想。

親、子ども、そして夫婦の接し方。どれもリアルで誠実であたたかい映画
第66回カンヌ国際映画祭 審査員賞受賞の映画です。
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●どんな人が(誰と)見ると楽しめるか?

夫婦で見るといいかもしれません。
お互い想うことが違うかもしれません。だから面白いと思います。
エンターテイメントの映画ではないです。
真面目で考えさせる映画です。だけど、とっても暖かい映画だと思います。
◆見る前に簡単な予備知識(これから見ようとする人へ)
何もないです。
とにかく、子どもを取り違えられたということだけ。
●ストーリーについて。

正直、前半は、何をするにもかっこよすぎの福山雅治があんまり好きじゃなかったり、貧富の格差とか、良い家族像を説教臭く描いた映画なのかと、
何となくよくありがちな日本映画の構成かなぁと思っていたのですが、
終盤はかなり泣いてしまいました。
仕事と家庭どっちが大事なのかとか、子どもとの接し方とか、「産みの親より育ての親」的な教訓でもなく、そんなこと以上に、
やっぱり、福山演じる父親が、成長して、「父になる」、その過程が素晴らしい映画でした。
・真木よう子が、環境が変わってなれない良多を抱きしめるシーン。
・同じく真木よう子が、悩んでいる尾野真千子をそっと抱きしめるシーン。
(#014 リトル・ミス・サンシャインのあのシーンに似ている感じがすき)
・福山が撮ったカメラを見ていると、自分の写真がたくさん撮られていることを知るシーン。
・福山がある看護婦を訪れると、その看護婦の息子が母親を守るシーン。
・福山が、親に電話するシーン。
上に挙げたシーンがかなり良いです。
今まで一緒に6年間育ててきた子ども。
他人の家庭で6年間生きてきたが、血が繋がっている子ども。
先天的な性格、後天的な性格。
自分と似ているから愛せるのか、自分と似ていないから愛せないのか。
なんかすごく考えさせられました。
よく、夫婦って似てくるって言います。癖だけでなく、顔つきも。家族の中でも血が繋がっていないのは夫婦だけです。
でもちゃんと愛することができる。
伊坂幸太郎の「重力ピエロ」でも、血が繋がっているor繋がっていないがテーマでしたが、
#053 重力ピエロ
この映画は、血が繋がっていることも、繋がっていないこともどちらもちゃんと愛せるって、そんなことを考えさせる映画でした。
自分が子どもにしていることって、昔自分が親にされたことに通じるのかなぁ。。
福山が自分の親に電話するシーン、あそこで、親に謝ることで、自分も「父」になったのかなぁってそんな気がしました。
昔読んだ「鏡の法則」に似ている感じがします。
自然な演技。
自然な見せ方。あまり情報を伝えすぎない脚本。感じさせる、想像させる脚本。
全部良い。
●キャストについて。

野々宮良多:福山雅治
この映画を酷評しているひとは、福山雅治に原因がある意見が多いです。多分確かにふざけているシーンもかっこよすぎて、好きになれない気持ちもわかります。でも、やっぱり最後まで見ると福山で良いなと思いました。だから成長していく過程が出るんです。そう感じさせる演出が素晴らしい。
野々宮みどり(良多の妻):尾野真千子
自分への怒りや、夫が今までの6年間を否定するようなセリフに対しての怒り、「遠くにいこうか」というセリフなどとっても印象に残るシーンが多いなぁ。。
斎木ゆかり:真木よう子
斎木雄大(ゆかりの夫):リリー・フランキー
「ぐるりのこと。」よりこっちの映画の方がいいです。
野々宮慶多(良多の息子):二宮慶多
斎木琉晴(雄大の息子):黄升炫
かなり自然な演技だったんですが、そういうことでしたか。。
「監督は子役には台本を渡しませんでした。その日現場で、何となくの台詞を伝えて、大人の役者は自分の台詞だけに集中するのではなく、子供たちとの演技の中で芝居をしていったんです。福山さんは予めいくつもの“想定”をして撮影に臨んだそうですが、子役の子にほとんど全部ぶっ壊されて、そんなつもりはなかったみたいな表情やトーンになったりしたそうですよ。そのぶっ壊しも楽しかったと話していました」(映画関係者)
石関里子(みどりの母):樹木希林
演技が本当に自然で素晴らしい。
野々宮良輔(良多の父):夏八木勲

是枝裕和監督
幻の光(1995年)
ワンダフルライフ(1999年)
DISTANCE(2001年)
誰も知らない(2004年)
花よりもなほ(2006年)
歩いても 歩いても(2008年)
大丈夫であるように -Cocco 終らない旅-(2008年)
空気人形(2009年)
奇跡(2011年)
そして父になる(2013年)
wikipdeaより
「誰も知らない」「花よりもなほ」「歩いても 歩いても」は見たことあります。
どれも、監督の脚本が素晴らしい。
「誰も知らない」はかなり名作ですが、
個人的な満足度は、今回「そして父になる」が超えた気がしました。
脚本に無駄がないです。
人の見せ方が良い。影とかで顔が見えなかったり、さりげなく後ろ姿しか見せなかったり。
とっても細かいけど、そういう所が良いです。
●最後に。
音楽がまたいいです。
自分が父親になったら、また見たいって思うような映画でした。
スピルバーグ監督の会社がハリウッドでリメークするみたいですが、あの日本的な感じはどうなるのかなぁって思いました。
あ、ちなみに電気店がTSUTAYAってとこ。なんでだろう。

読んで頂いて、ありがとうございます。
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○参考に読んだおすすめ感想ブログ/サイト
◆【映画】いい父親になろうと決めた。「そして父になる」を観てきました。ネタバレありです。/あらすじ・感想レビュー・評価 | iPhone・Macの情報発信ブログ “NUMBER333”
◆大事なのは血でも時間でもない。馬鹿な男は『そして父になる』を見て本物の父親になれ。 | CLOCK LIFE*
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