#098 七つの会議/池井戸潤

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満足度★★★★(4.5)

企業に勤めるサラリーマンに心が熱くなるちょっとやるせない気持ちが残る本。

▼後で読む。


前置き

「半沢直樹」で今かなり話題の池井戸潤さんの小説「七つの会議」です。

3年前、直木賞を「下町ロケット」で取ってからはまって、「空飛ぶタイヤ」「鉄の骨」「シャイロックの子供たち」に続いて5冊目です。

#075 空飛ぶタイヤ/池井戸 潤

今回の「七つの会議」は「半沢直樹」と同じクールでNHKでドラマ化しました(4回なのでもう終わってます)
ドラマは見てないのですが、小説が気になって読んでみました。

ドラマ『七つの会議』原作本! (NHK土曜ドラマ 2013年7月13日スタート)
土曜ドラマ「七つの会議」|NHKオンライン

七つの会議 【ドラマ2013夏】あらすじ ネタバレ 感想 キャスト 東山紀之 閲覧注意 – NAVER まとめ

ちなみに余談ですが、

3年前にNHKでドラマ化した「鉄の骨」
NHKオンデマンド 土曜ドラマ 鉄の骨

建設業界の談合をテーマにしていて、正直かなり重いですが、面白いですよ。
ドラマが小池徹平が割と良い演技してて、「半沢直樹」のように派手さはないのですが、一度見るとはまると思います。
こちらもおすすめ。今回の「七つの会議」も派手ではないですが、はまる本です。

◆ざっくり要約!

ひとつのネジをめぐって、様々なひとがその真実を明かそうと(隠そうと)私欲と会社の存続をかけて闘う話。

トップセールスマンだったエリート課長・坂戸を“パワハラ”で社内委員会に訴えたのは、歳上の万年係長・八角だった―。いったい、坂戸と八角の間に何があったのか?パワハラ委員会での裁定、そして役員会が下した不可解な人事。急転する事態収束のため、役員会が指名したのは、万年二番手に甘んじてきた男、原島であった。どこにでもありそうな中堅メーカー・東京建電とその取引先を舞台に繰り広げられる生きるための戦い。だが、そこには誰も知らない秘密があった。筋書きのない会議がいま、始まる―。“働くこと”の意味に迫る、クライム・ノベル。

◆内容について。

登場人物それぞれに背景がある。誰が悪いか、勧善懲悪の世界じゃないからこそ、リアルで考えさせられる本でした。

第8話まであります。
最終話は除いて、7つの会議があります。

そのどれも、視点が違います。
でも、時系列はつながってます。

ドラマ「半沢直樹」は勧善懲悪がはっきりして分かりやすく、見ててすっきりします。
でも、この小説は、誰が善で誰が悪なのかそこまで明らかになってません。
むしろ、悪なんだけど、そのひとの生きてきた背景を知ると、憎悪というよりも、悲しい気持ちになると思います。

会社組織のよくあること(問題)がそこにはあります。

・営業のノルマの問題。
・発注先と仕入れ先との上下関係。
・同期との出世レース。
・営業と経理との軋轢。
・女性社員の仕事のモチベーション。
・上司と部下との間で板挟みになる中間管理職。
・本社と小会社の立場。

そして、会社とお客との関係。

どれも、一概に誰が悪いとか、言えない所が難しい。
会社の問題だけでなくて、家庭上の問題も密接に関わってきます。

七つの会議」のHPにこの小説の魅力を4つ挙げています。

1.謎解きの興奮にハマる!
2.リアルな人間模様はサラリーマンのドラマだ
3.「なにか、私にできることはないだろうか?」働く女性に小さな勇気をくれる
4.会社とは、仕事とは、そしてモラルとは?あなたなら、どう行動する?

これを見ると、この小説って、謎解きのミステリーであって、人間ドラマであって、社会と会社を考える企業小説であって、
そして、やっぱりちょっと前向いて頑張ろうと思えるような小説だなぁって思いました。

個人的に、「第三話 コトブキ退社」が好きです。
最終話にもつながります。

ある一部の台詞ですが、

「仕事っちゅうものは、金儲けじゃない。人の助けになることじゃ。
人が喜ぶ顔見るのは楽しいもんじゃけ。そうすりゃあ、金は後からついてくる。
客を大事にせん商売は滅びる」

この本で言わんとしていることはこの台詞に集約してます。
「第三話 コトブキ退社」だけ異質な話になっているのも、この台詞で納得します。

六角さんが1話目で言った。

サラリーマンの生き方はひとつじゃない。

だから、いろんな問題が生じて、それでも、何か信じて変えようと生きるひとがいるから
少しずつ社会も良くなって行くんだなって勇気も感じました。

◆終わりに。

やっぱり、企業で働いたことあるひとが読むと何かしら感じるものがある本だと思います。
そこにリアルさや、矛盾点を探すというわけではなくて、
そのとき、そのときに感じるひとの感情に共感して考える本だと思います。

「半沢直樹」のようにすっきりする内容ではないと思いますが、
心がとっても熱くなる小説でした。

読んで頂いて、ありがとうございます。

◆目次◆

第一話 居眠り八角
第二話 ねじ六奮戦記
第三話 コトブキ退社
第四話 経理屋稼業
第五話 社内政治家
第六話 偽ライオン
第七話 御前会議
第八話 最終議案

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