#096 不格好経営―チームDeNAの挑戦 /南場 智子

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満足度★★★★☆(4.5)

不格好だけど、格好いい!

▼後で読む。


前置き
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#095 社会人大学人見知り学部 卒業見込 /若林正恭
の不器用に続いて、今回の本は、不格好。

そして、前回書いた映画の感想、
#105 奇跡のリンゴ
に続いて、NHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』に出演してから、その人を知って尊敬した人です。

2007年03月8日に南場さんは出演されていました。
「社長が一番、前のめり」と銘打たれていた通り、ものすごくパワフルな女性だなぁって感じたのが印象的でした。

”苦しいときこそ、前のめりであれ”

という言葉は、共感でき、自分が大変なとき思い出す、大切な言葉の一つです。

というわけで、南場社長のことを知っていてたので、当時私は、2009年新卒入社説明会で南場社長が話されるということで、DeNAの説明会にうけに行きました。
そのときの説明会の様子をブログに書いていました(ブログに書いておくとそのときのことが分かって便利!書いてて良かった、、)

#001 リーダーってどういう人?
から引用。

自分がリーダーになっても、他のメンバーを常に尊重して、同じ目線でいれるリーダー。自分を通さなくても、信頼して任せられる人。

例えば、この前、会社説明会で行ったDeNAの代表取締役社長・南場智子さんのような人。
この方は、例えば人事のことなら、その人事部長に全てを信頼して任せている。説明会では、むしろ、人事の人が社長を使っていると言ってた。

モバゲーっていうモバイルサイトも、社長を何にも企画にかかわっていない。社員を信頼して自由に仕事をさせたから、こんなにもヒット企画が世に出た。社長よりも、給料が上の人もいるらしい。。。。

この組織は、トップダウンの経営ではなく、球体型の組織らしい。一人ひとりが欠かせないメンバーと見る。

新卒のとき、会社説明会に100社くらい行ってましたが、その中でも行って良かったと思った説明会のひとつでした。
#008 就活生から見た良い採用活動(1)
から引用。

会社説明会は、本当に重要だと思います。やっぱり人事の人の人柄とかで、入りたいと思うこともあります。説明しているときに、座って話しているのを見ると、そこまで熱心じゃないんだって思います。

モバゲーで有名なDeNAという会社は、社長の南場さんは、話されているとき、始終動き回ってました。

会場の端から端まで。
大きな声で、笑顔で。

見てて、やっぱり好印象を抱きました。社長が説明会のときに、熱く語るということも大事だと思います。やっぱり、それだけ、私たち新卒に期待しているんだっていうことが伝わります。

とある企業で、次は社長の話ですと言いながら、
「社長は今トイレに行っているようなので少々お待ちください」
と言われて、5分ほど待たされたときはあきれましたが。。

当時の説明会について、もうちょっと書くと、あんなに忙しい社長なのに、さっと出てきて、誰よりも笑顔で誰よりも動いて声はって元気なのが印象的でした。で、後は当時の人事の人に「任せた!」って言って帰って行くのが印象的でした。

新卒採用で南場さんが最終面接らしく、内定の際は、南場社長自ら電話して「受かったよ!おめでとー」と言われている人がいるらしく、言われたいなぁと思いつつ、DeNAを受けてみました。しかし、書類選考、一次、二次選考まで通りましたが、三次で「君がやりたいことはここでの仕事ではないのでは?」と問われ通りませんでした。。(やはりただの社長ファンじゃ受からないですね。。)

でも、当時、売上高が300億ほどで、倍々で上がっているので、これからも倍々で売上は上がると述べていたのが、今見てみるとちゃんとその通り実現されているのがすごいです。。

2013 06 16 11 11 11

今は2000億。それよりも利益率の高さがすごい。

DeNAの収益性はFacebookの30倍、Zyngaの15倍–南場社長が語る世界戦略 – CNET Japan

そして、この社長退任のニュース。正直かなり驚きました。

「夫の病気にも圧勝する」 DeNA南場社長、退任への思い  :日本経済新聞

でもその原因がらしいなぁって思いました。
家族のためなら納得です。もともと辞めようと思っていたらしく、企業は社会の公器と考えてるだけあって、引き際がとても良いと思いました。

というわけで、個人的な長い前置きも終わり、今回の本の感想です。

◆ざっくり要約!

DeNAの創業者、南場さんの伝記です。幼少の頃の家族のことも書かれてます。そして創業から今までのDeNAの歴史が書かれてます。
ただ、他の経営者の伝記とちょっと違うこの本の特色は、一緒に挑戦してきたチームメンバーのエピソードが多いこと。それぞれの人を尊敬し、主役にしていることです。
また、ちょっとした笑いのあるエピソード(激やせラリーなど)とユーモアのある文章が印象的です。

自分自身というより仲間に恵まれたという主張と自身の失敗談が一貫してて、素晴らしい経営者像というより、より人間らしく読んでて気持ちがいい本でした。

◆内容について。ちょっと抜粋。
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南場さんが考えるDeNAの競争力の源泉は?

人材の質。
そのために、①最高の人材を採用し、②その人材が育ち、実力をつけ、③実力のある人材が埋もれずにステージに載って輝き、④だから辞めないという要素を満たすこと。
(ただ、辞めるという選択に対しては応援する立場。出戻りもむしろ良いことだと考えている)

信頼する社員に仕事を任せること。
モバゲーや、印象的なCMも南場さんは関わってません。
自身の役割を理解し、集中することが大事なんだと思います。

南場さんが考える意思決定とは

意思決定のプロセスを論理的に行うのは悪いことではないが、決定の迷いを見せることがチームの突発力を弱めることがある。
決定したプランを実行チーム全員に話すときは、これしかない、いけるという信念を前面に出した方が良い。

南場さんが考える成長とは

成長はあくまでも結果。給料をとりながらプロとして職場についた以上、自分の成長に意識を集中するのではなく仕事と向き合って欲しい。
それが社会人の責任だ。皮肉にも自分の成長という余裕がないほど必死になって仕事をしているひとほど、結果が出せる人材へと驚くようなスピードで成長する。

◆この本から何を活かすか?

DeNAのコーポレートアイデンティティにこの本の根底にある南場さんの想いがつまっていると思います。

コーポレートアイデンティティ | 企業情報 |より

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コーポレートアイデンティティ | 企業情報 | 株式会社ディー・エヌ・エー【DeNA】-1

●デライト(Delight)
顧客のことを第一に考え、感謝の気持ちをもって顧客の期待を超える努力をする

●球の表面積(Ownership)
常に最後の砦として高いプロフェッショナル意識を持ち、DeNAを代表する気概と責任感を持って仕事をする

●全力コミット(Be the best we can be)
2ランクアップの目線で、組織と個人の成長のために全力を尽くす

●透明性(Transparency&Honesty)
チームワークとコミュニケーションを大切にし、仲間への責任を果たす

●発言責任(Speak Up)
階層にこだわらず、のびのびしっかりと自分の考えを示す

自分の周りのひとのことに感謝し、何を求めているか考え、誰に対しても誠実に接し、堂々と自信を持って生きて行くことを大事にしたいと思います。

◆終わりに。

何かに挑戦しようとするとき思い出したい言葉。

DeNAを退職して文筆業に専念したひとの退職時のメール。

選択に正しいも誤りもなく、選択を正しかったものにする行動があるかどうかだけだと信じています。

困難なときに、思い出したい言葉。

南場さんが、お金に困っているとき、厳しい父親から送金してもらったときの父親の手紙の一言。

生き甲斐は処した困難の大きさに比例する。

そして、自分ひとりの力ではどうしようもないことになったとき思い出したい言葉。

会社に迷惑をかけたくないと遠慮する人が多い。でもときには会社の仲間や社会に頼るのもよいではないか。得るものと与えるものは、その瞬間でバランスが取れている必要は無い。時間をかけてバランスさせようと努めればいい。かけた迷惑の分だけ感情のヒダも豊かになる。できるときに仕事を頑張ったり、他の人を助けたりしていけば良いと思う。

苦しいとき、楽しいとき、やっぱり人が助けてくれて、生きて行ける。
迷惑をかけることに申し訳ないなぁって思っちゃうけど、それでもプライドも全部捨ててがむしゃらに何か頑張っていける、
そして、そんな人を応援できる、そんな不格好ながら輝いているひとになりたいなぁって思いました。

読んで頂いて、ありがとうございます。

●経営者でもないので、もちろん自分の意見ではありませんが、こんな記事も書いてました。
#002 経営者に必要な5つのこと。

「賢者.tv」インタビュー

◆目次◆

第1章 立ち上げ
熱病/川田とナベ/ソネットかリクルートか/「もしかして、あなたバカですか?」/わが社最大のトラウマ/麻呂顔の天使/ビッダーズの誕生

第2章 生い立ち
うどんが飛んだ日/進学をめぐる反抗/マッキンゼーに行きたい/こんな会社辞めてやる/「最後」のプロジェクト/社内結婚と煮魚

第3章 金策
ヤフオクの背中/ペーパータオル1枚で手は拭けます/イーベイの思い出/父からの手紙/ヤフオクの値上げ/黒字化への軌道修正/激やせラリー/大株主企業による売却/渋谷で叫んだ朝/社長の年収査定

第4章 モバイルシフト
異質なモバオク/天才アルバイトの降臨/上場で思い出す涙/3人で飲んだワインの味/モバゲーの誕生/CMをめぐるバトル/出会い欲求との戦い/川田のメッセージ/本音のため息と弱音/DeNAクオリティー

第5章 ソーシャルゲーム
「怪盗ロワイヤル」誕生/守安の歯/企業の品性/公取立ち入り検査/七転八倒の海外展開/3・11

第6章 退任
わが家を襲った激震/南場カンパニーか公器か/闘病プロジェクト発足/守安いびつな奇才/春田二人羽織の相棒/プロ野球参入とナベツネさん/試練を乗り越える新経営陣/前例のない「道なき道」

第7章 人と組織
社長の時間の使い方/コンサルタントと事業リーダーの違い/人を口説くときに心がけること/人が育つ組織/優秀な人の共通点/MBAは役立つか/社長についていきます?/ロールモデルと師匠/社員の卒業について/女性として働くこと

第8章 これから
広がり続ける事業領域/社長守安の任せる勇気/熱病は続く