#102 ぼくたちのムッシュ・ラザール

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ぼくたちのムッシュ・ラザール -満足度★★★★(4)Monsieur Lazhar ジャンル:ヒューマン(シリアス) (95分)/監督:フィリップ・ファラルドー/2011年/カナダ

 

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先生と生徒の心をそっとつなぐ、静かであったかい映画。

◆ざっくり要約!

あらすじ:モントリオールのとある小学校で女性教師が自殺し、代わりにやってきたラザール先生が傷ついた子どもたちと向き合う話。
キャッチコピーは「いちばん大事なことは、教科書には載ってない。」

評価:ロカルノ国際映画祭→バラエティ・ピアッツァ・グランデ賞、観客賞
   トロント国際映画祭→カナディアン作品賞
   ジニー賞→9部門ノミネート、作品賞を含む6部門受賞
   第84回アカデミー賞の外国語映画賞→カナダ代表ノミネート

参照:wikipedia

ぼくたちのムッシュ・ラザール – Yahoo!映画
一言感想。
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割と重いです。90分ゆったりとした映画です。正直地味な映画です。そして、劇的に感動する描写はありません。だからこそ、静かに感動する、そんな映画です。

▼後で読む。


●どんな人が見ると楽しめるか?
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ひとりで見た方が、無難ですかね。。
何度も言いますが、感動作ですが、難民と自殺(大切な人を失う)という重いテーマを扱っています。教育について考える映画としては先生の方が見ても胸をうつ内容になっているかもしれません。

感じる映画かもしれませんし、後々考える映画かもしれません。
言えることは、娯楽映画ではないことです。そこだけは確認してご覧になると良いと思います。

◆見る前に簡単な予備知識(これから見ようとする人へ)
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カナダ映画です。でも台詞が全部フランス語になってます。
舞台は、冬のモントリオール。

バシール先生の出身地、アルジェリアは治安が安定せず、表現の自由が制約される環境であるようです。

以下、根本かおるさんのブログを参照させて頂きます。

2007年12月には、首都アルジェでUNDP(国連開発計画)をはじめとする多くの国連機関が事務所を構えていたビルがアルカイダ系組織に爆破され、国連職員17名が命を落とすという事件が起きています。

こうした環境下において、特に女性は自由に意見を主張することができず、映画の中ではラザール先生の奥さんも標的にされます。「あとから家族を呼び寄せよう」と考えた先生が亡命先にケベック州を選んだのは、アルジェリアと同じフランス語圏だということが大きな理由だったのでしょう。

先生の振る舞い方に難民特有の事情が垣間見えます。

例えば、生徒がラザール先生の写真を撮ろうとしたとき、先生は激しく感情的に拒絶します。
それは、自分が表に出ることで命を狙われたり、
家族や親せきに危害が及ぶことを危惧したりするためです。

そうしたディテールをさりげなく描き込んだ上で、
難民という文脈を離れ、異国に飛び込んで暮らす者が直面する
戸惑いや驚きなどの普遍的な部分もさらりと見せてくれます。

第1回 『ぼくたちのムッシュ・ラザール』 » 根本かおるの社会派映画案内~スクリーンの向こうに故郷が見える|英治出版

また、カナダの小学校の慣習が日本と違います。朝、登校してもそのまま校舎に入れないようです。
開校時間になるとクラス毎に自分のクラスに入っていく。ただ朝の当番の子供だけが、皆と違って先に校舎に入れる。ここは覚えておいて下さい。

●ストーリーについて。
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ケベック州のモントリオールの小学校。朝一人の生徒が、教室で首を吊って自殺した担任の先生を発見します。
その出来事をきっかけに、とまどう子どもたち、先生、そして保護者たちを描く作品です。

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そして、赴任してきた先生がアルジェリア難民で、実は教師の経験もないという事実が分かり、、、

印象に残るシーンはやはり終盤のホームルームですね。
自殺したマルティーヌ先生の死について、生徒が本音を話すシーン。

このシーンはすごいです。心うたれます。シモン役の子は、実際におじさんを自殺でなくされており、そういう意味では本当の演技です。

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そして、クライマックスの静かなシーン。ここはすごい意味のあるシーンになってます。
本当は先生が生徒にしてはならないこと。でもひとりの人間として向き合うには必要なこと。触れることを極端に忌み嫌う今の学校の問題。ひとつの答えが隠れてるかもしれません。

愛するひとを失った悲しみ。乗り越えるために。

今も胸が苦しいのは、その人を愛し、愛されたからだ

●キャストについて。

小学生の少年少女達が可愛いだけじゃなく、演技が上手い!

アリス:ソフィー・ネリッセ。
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シモン:エミリアン・ネロン
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そして、バシール先生
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●最後に。

ラストシーン唐突に終わります。ハッピーエンドでもないかもしれません。
でも心と心がつながる瞬間があります。

人生の中に必ず起きる不条理。それを子どもに教える。
そんな重いテーマを描いている良い映画でした。

●予告編

公式ウェブサイト
映画「ぼくたちのムッシュ・ラザール」公式サイト

●おまけ(学校を描いた教育映画)

学校、特に青春映画ではなくて、教育を題材にしている映画をいくつか紹介します。

・青い鳥

重松清の同名連作短編集の映画。中学校を舞台とした映画作品です。小説も映画も隙です。

#027  青い鳥/重松 清

・告白

少々異質ですが。

音楽が素敵です。フランス映画。

名作中の名作です。

先生と生徒の感動映画。王道です。

読んで頂いて、ありがとうございます。