#093 なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか? /山口揚平

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満足度★★★★(4)

お金の真の意味について考え、お金との付き合い方を身につける本

◆ざっくり要約!

お金という媒体なしでも価値を生むことができる。
それが、「信用」。
それを個人として積み重ねることの重要性が書かれている本。

▼後で読む。


◆内容について。

著者の山口揚平さんは、下で初めて読みました。
#092 そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか/山口揚平

上記の本で、「雇われない」生き方をするためには、
①バリュー ②システム ③クレジット が必要とのことが書かれてました。
そこでは、特に②システムのこと。
そして、今回の本は、③クレジットを中心に書かれてます。
タイトルの「なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?」は、本の内容を興味持たせるための切り口として使ってあるため、
あくまでも③クレジット(信用)の話が中心です。
芸術の話ではなく、お金の話です。

お金といっても、稼ぐ話でもなくて、お金のあり方、お金に変わるものを考える本です。
実用的な本ではなく、考える本だと思います。

タイトルの「なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?」は、以下の理由のひとつに下記を挙げられています。

ピカソは支払いの際、小切手を好んで使ったわけはこんな理由がありました。
商店主は、小切手を銀行に持ち込んで現金に換えてしまうよりも、ピカソの直筆サイン入りの作品として部屋に飾るなり、大事にタンスにしまっておくだろう。そうなれば、小切手は換金されないため、ピカソは現金を支払うことなく、実質的にタダで買い物を済ませることができた。(No.25)

ピカソは、お金の本質を知っていたから、金持ちだったということを言いたかったみたいです。

お金のことを考える本なのですが、結果的にお金(資本)を増やすよりも、”信用”を貯めようと考えさせる本でした。
1章では、お金を増やそうとすると、お金に翻弄される。だから、お金を絶対的なものと考えず、コミュニケーションツールのひとつとして客観的にみることが大事だと述べています。

2章では、バリュー(価値)から マネー(お金)を生み出す過程で、使命を顕在化させ、私欲を削り、謙虚に、シンプルに生きること。
ライフネット生命の例も上がっていますが、一般に、ハーバードビジネススクール出身者が成功理由にこう書かれてます。

僕らが学ぶべきは、彼らが起業してからの事業手法ではない。むしろ起業”以前”に彼らが貯めてきた学歴を含めた信用のつくり方のほうなのである。

お金とは信用のことであると結論づけ、
それが、3章における、”信用”の意義につながります。

信用=(専門性+確実性+親密度)/利己心

信用は、専門性を高め、約束を守り、人と親しくして親密度を高めることで上がる。そして、もっと大切なことは、利己心を抑えること。
利己心を抑えることが、最も相手に対する信用を高めることにつながる。

要は、分子の「専門性」部分を高めるより、分母の利己心(エゴ)を減らす方が、信用創造への貢献度は高くなるということ。

4章で、「give&given」により、つながりを意識した経済を実例をもとに説明してあり、
最後に5章でライフスタイルの提案をしています。

◆この本から何を活かすか?

正直、とても面白い視点ですが、何を実践するか具体的に考えるのは難しい本です。
お金ではなくて、信用を蓄えるといっても、長期的な話になってしまいます。やはり、愚直に少しでも良いものを誰かに提供できるよう、力をつけ、謙虚に生きるしかないように思われます。それが一番の”投資”だと。。。
すみません。まだ、この本から何をしようかと実践できることがありません。
ただ考え方として共感したことを、以下つらつらと書いてみます。

①バリュー(価値)to マネー(お金)

世界に価値を生み出したいなら、何よりもまずは、”好き”を追求しよう。やりたいことが見つからないなら、やるべきことをやろう。
「やるべきこと」とは、「貢献につながること」だ。自分の才能が分からないなら、わずかなことでいいから、人の役に立つことをてがけよう。最初はお金が入らなくてもいい。貢献は信用を生み、それが未来の自立と社会的評価につながるだろう。〜ただ目の前の仕事を愚直に丁寧にこなし続けることだ。
そのプロセスの果てに使命(ミッション)がある。
〜使命は自然に授かるもの。使命を探すこととは逆に、使命でないもの、つまり、私欲を濾過して、謙虚になること。私欲を削るとともに、持たない生活をすること(Np.635一部改訂)

②クレジット(信用)to マネー(お金)

人は、モノを買わない、人は、「つながり」と「物語」にお金を投じるのだ。

③バリュー(価値)to バリュー(価値)(お金を介さない経済)

本書で山口さんは、自分の回りにおいて「できるだけお金を介さない経済をつくってみてほしい」と言われています。
物々交換のことです。
「give&take」より「give&given」。
「give&take」のような、誰かに何かを与えたら、その人に何か見返りを求めるというものだと、「私がこれだけやってあげたのに、あなたはこれだけしかやてくれない」という考え方に陥る。

反対に、「give&given」だと、誰かに与えたら、別の角度から返ってくるという仕組みが増える。与えたものは、めぐりめぐって、返ってくるという考え方。それが、短期間に、確実に、明確な形を伴って起こる。そして、信用を土台とした価値の直接交換を実践する人が増えれば増える程、その価値還元速度は速まる。

以前こちらにも書いたのですが、
2013年3月2週目振り返り

@sunnychild1さんの、
リアル『ペイ・フォワード』な世界をつくろう
というのは、今後増えてくるのかなぁって思って面白いなぁって感じました。

#022 ペイ・フォワード

信用で何かを得る世界って、良いなぁって思いました。

読んで頂いて、ありがとうございます。

◆目次◆

序章 お金とは何か?
1.ハゲタカが跋扈し、お金でお金が殖えた時代
2.自分の価値をお金に換える覚悟と難しさ
  (バリューtoマネー)
3.企業や個人が国家に代わってお金をつくる世界へ
  (クレジットtoマネー)
4.お金を媒介とせず、モノや価値を直接交換できる環境の広がり
  (バリューtoバリュー)
5.信用でつながる新たなコミュニティづくり
  :資本より信用を貯めよう(クレジット・ライン)
付録 お金について身につけたい3つの習慣
おわりに