#088 ガソリン生活/伊坂 幸太郎

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満足度★★★★★(5)

ディズニー、ピクサーみたいなハートフルなお話。

最近の伊坂幸太郎の本は、昔ほど、尖ってなくて、あったかい本が多い。昔の本も好きですが、今の感じも好きです。
この本は、過去の本と比べても、五本の指に入るくらい個人的に好きかもしれません。
それほど、一気に読みました。

●伊坂幸太郎の本レビュー一覧

伊坂幸太郎の本、15冊目のレビューです。

#001 重力ピエロ(2008年3月)
#013 ゴールデンスランバー(2008年7月)
#015 死神の精度(2008年7月)
#021 グラスホッパー(2008年7月)
#023 I LOVE YOU(透明ポーラーベア)(2008年8月)
#031 チルドレン(2008年8月)
#032 砂漠(2008年8月)
#033 終末のフール(2008年8月)
#039 ラッシュライフ(2008年8月)
#061 モダンタイムス(2009年3月)
#071 SOSの猿(2009年12月)
#072 バイバイ、ブラックバード(2011年6月)
#074 マリアビートル(2011年6月)
#082 残り全部バケーション(2012年11月)

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1.オーデュボンの祈り(2000年12月)
2.ラッシュライフ(2002年7月)
3.陽気なギャングが地球を回す(2003年1月)
4.重力ピエロ(2003年4月)
5.アヒルと鴨のコインロッカー(2003年11月)
6.チルドレン(2004年5月)
7.グラスホッパー(2004年7月)
8.死神の精度(2005年6月)
9.魔王(2005年10月)
10.砂漠(2005年12月
11.終末のフール(2006年3月)
12.陽気なギャングの日常と襲撃(2006年5月)
13.フィッシュストーリー(2007年1月)
14.ゴールデンスランバー(2007年11月)
15.モダンタイムス(2008年10月)
16.あるキング(2009年8月)
17.SOSの猿(2009年11月)
18.オー! ファーザー(2010年3月)
19.バイバイ、ブラックバード(2010年6月)
20.マリアビートル(2010年9月角川書店)
21.PK(2012年3月)
22.夜の国のクーパー(2012年5月)
23.残り全部バケーション(2012年12月)

今回は、上記の緑色の本に感覚似ているかなぁと思います。

●あらすじと感想。

とある家族(望月家)と自家用車(緑のデミオ)の家族の小説。

語り手が”車”ですけど、それは一切物語に影響を与えません。当然、車の会話は人間には聞こえませんし、
おまけに、ピクサーの映画のように車の意思で何か動いたり、奇跡が起きたりもしません。車持ってませんけど、すっごく車に愛着がわきます。

伊坂幸太郎の本の面白さも沢山あります。

①キャラクター。

のんきな長男、良男。
大人びた弟、亨をはじめ、夜回り先生的な細見氏など個性的なキャラが沢山出てきます。
そして、何と言ってもこの本は、緑のデミオ。まっすぐな性格でとっても可愛いんです。
狭い車なんて言ったら、「失礼じゃないか!全国のデミオに謝れ」って怒られます。笑
パーソンオブザイヤーの瞬間は笑えます。ハンドルをたたいたときの反応はかわいすぎて笑えます。

②ウィットに富んだ台詞。

人間が年長者に抱く感情には何段かかある。
「尊敬」→「信頼」→「反発」→「軽蔑」→「侮り」→「諦め」→「許容」→「同化」

コンプレックとは「劣等感」のことではなく、「こだわり」をいうんじゃないかな。

人間は2つのことを同時にできない、正確にいうと、2つのことを同時にできるけれど、2つのことを同時にやると、3つ目に出現した不意な出来事に対応できない。(だから、サイドブレーキをひいたときにしかナビを動かせない)

クラクションの存在意義の話も共感できます。

③伏線。
ムダな話がないんですよね。つながるから面白いです。

④過去の作品から、、、
以前の小説のある家族が出てきます。ちょい役で。。
それを探すのも面白い。

人間というのは、自分のことが一番大事、いつも自分が大変、他人の不幸はすぐ忘れる。それこそが人間の心だ。

でも、

人間には、認められたい、役立ちたい、褒められたいという三大欲求があるらしい。だから金があれば働かないといえばそんなことない。誰だって、役立ちたいという気持ちはある。それが満たされなければ、幸福になれない。

この本はミステリーです。でも家族小説でもあります。
また、車が主役の物語でもあります。

ラストちょっとうるってきました。緑のデミオ良かったなぁって。
感動!というわけじゃないけど、ちょっとうるっと、する小説。
とってもハートウォーミングな本でした。

読んで頂いて、ありがとうございます。