フライト 満足度★★★★(4) Flight ジャンル: ヒューマン(138分)/監督:ロバート・ゼメキス/2012年/アメリカ

なんか、予告編を見て思ってたのとちゃう!
ロバート・ゼメキス監督は、2000年の『キャスト・アウェイ』以来の実写映画。(アニメーションが多かった)
監督の「フォレスト・ガンプ 一期一会」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が大好きな映画なので、久しぶりの映画ということで見てみました。第85回アカデミー賞にて、脚本賞と主演男優賞の2部門でノミネートされた作品です。感想としては、上記の作品には劣りますが、良い映画でした。でも!予告編を見て面白そうだなぁって思った人は要注意です。以下そのことを書きます。

・ジャンル間違い注意!(予告編のイメージと違います)
あらすじは、
「全員死亡となりうる最悪の墜落事故から、旅客機を救ったパイロットのウィップ・ウィテカー(デンゼル・ワシントン)は、国民的英雄となりえた。しかし腕の確かなベテラン・パイロットの彼には、アルコールとドラッグの中毒者であり家族から見放された一面が隠されていた、、彼は英雄(ヒーロー)か犯罪者か??」
という話ですが、予告編を見たら
①無実の罪を偽造された”ミステリー”ものか?
②スペクタルな飛行機パニック(アクション)映画か?

なんて勘違いもしてしまいます。(特に航空関係にお勤めの人はこの設定に、無理があっていらいらするかもしれません)
だって、予告編を見る限り、”彼”は凄腕のヒーローに見えますし。。
彼は英雄(ヒーロー)か?
犯罪者か?
いや、彼は、”アル中、薬中”ヤロウです。

ここが実はこの映画を見る上で大事なのです。
確かにできる男です。どんな状況においても適切、冷静な判断を下す、世間的にはできる男です。でも、多分始めから最後まで、どうしようもない男なんです。
できる男を想像して見ると、初めのシーンから肩すかします。あれ、もっとシリアスなムービーだと思ったのにと思います。でも本当はダメな男がどう立ち直るか、そういう映画として見るとすっごい良い映画です。だから、個人的には、予告編に、もっと本編で出てくる(半数以上出てくる)ダメっぷりを取り入れて欲しかった。
(なんで、この映画のポスターもこんなにカッコいいのか。。)
彼は誰なのか??
「Who are you?」
これがこの映画の鍵です。
本当の自分とは、、、、
「flight」
という映画のタイトル。
「飛行」という意味でとらえると思いますが、
「逃亡」とか「逃避」という意味でもあります。
ここに、この映画のタイトルの真の意味があると思います。だから、邦題は、フライトだと意味が飛行の意味ひとつになるから誤解が生まれてしまいます。そうでなくて、例えば「逃避〜アルコール依存症のパイロット〜」とか「おれは単なるアル中のパイロットなのか?」とかにすれば誤解は生まれない映画です。笑(全然映画の質が下がりますけど)
とにかく、思ったよりもシリアスな映画ではないです。むしろ日本のPRで柳沢慎吾がやってましたけど、
このくらいのイメージで見て、見終わった後、「あーなんか結構感動する映画だっだなぁ、イメージとなんか違う。。」
くらいが丁度良かったなぁって思いました。
最後の10分が本当に素晴らしい。あのカメラアングルが変わるところです。
何かに逃げてしまって大切な何かを失ってしまう前に見て欲しい、そんな映画でした。
読んで頂いて、ありがとうございます。