
満足度★★★★(4)
コストセンターである管理職の人の心構えが分かる本。
今は直接売上げを得る営業職が強い会社が多いですけど、昔はどうやら人事や経理といった職の人の権限が強かったらしい。その時代のことは分かりませんが、そういった時代で過ごしてきた40代以上の管理職の人が読んでも勉強になる本かなぁと思いました。
●交際費の考え方
1万円で接待する場合、ただ飲み食いに行くなら、君の分も入るから半分の効果しかない。
同じ1万円なら、野球観戦のチケットを2枚差し上げた方が効果がある場合もある。人を見て、30通りくらい考えてより良い効果が得られることに使うべき。
という費用対効果の考え方も交際費だけでなく、広告宣伝費等あらゆることに言えるなぁと感心しました。単なる慣行になってたりすると、ただの作業ですし、何より、作業になってしまうと、仕事ってつまらなくなるなぁってつくづく思います。頭をフル回転させて、最終的にはお客様に喜んでもらえる方法を考える方が楽しいなぁって思います。それは自分の家族や恋人とかにも言えるのではいかなぁ。ただお金を使うだけでなくて、いろいろ楽しませられる方法ってあるから。そういうことが大事で仕事を面白くさせるポイントだなって再認識させられました。
●経理・財務のあり方
経理・財務の究極の仕事は、会社等のなかの支払と入金であること。代金の入金は販売部門が責任を持つべき。ただしそれをチェックするために経理が必要。
また、出金は事業部、販売等に支払機能まで移すと会社がルーズになるので、支払をチェックする人が入金担当と別に一人必要。2人いれば十分でそれ以上の管理職は自らがプロフィットセンターであることを自覚すること。
バックアップと財産保全に徹すべし。
制度会計(財務会計+税務会計)が20%で、経営会計(管理会計、利益を向上するための会計)が80%であるべき。
つまり、経理の仕事の80%が事業部門へのバックアップ。
●ケチに徹する
会社のために会社の財産を守ること。
ケチに徹して、憎まれ役になって、煙たがれ役になって、嫌われ者になって仕事をしていただきたい。会社の財産を危うくする人は経営者であっても許してはならない。
●全社員から信頼され感謝される経理・財務&CFOになれ
全社的な支店を持ち利益を目指すために、販売製造研究の人の中に入って行って仕事をする(バックアップをする)ことが後々、信頼につながる。だから不正がみつかっても、疑いの気持ちで犯人探しのようにするのではなく、「無駄遣いをしては困りますよ」という視点で石を投げる、警告を発しておけば、見に覚えのある人はやめる。あくまでもバックアップ的な気持ちで。
●担保の考え方
担保(代金の保証)が欧米と逆の発想をしているという所は興味深かったです。
日本では、土地→工場財団→個人保証→在庫→売掛金という順なのに対して、
欧米では、 売掛金→在庫→個人保証→工場財団→土地という順番らしい。それは欧米が日本より土地が広大で価値が高くないことに起因するとのこと。
読んで頂いて、ありがとうございます。