#055 いちご同盟/三田 誠広

今回は、自分が、中学生のときに読んで感動した本のご紹介。

中学生のときは、国語の先生が読書が好きな方で、たくさん名作を教えていただきました。
その中でも、私が、読書感想文を書いて、入賞したときの作文があったので、そのまま載せてみます。

中学生、高校生が読むのにぴったりな小説だと思います。
誰もが、””について考えたことがあると思いますが、それについて考えさせられる本です。

「出会いに感謝」
この世界の中には、生きたい人、死にたい人、
またそんなことを考えたこともなく生きている人、様々な人がいる。

この話には、何人かの人の”死”がある。
それは、一人ひとり違う死であった。
でも、全てムダな死ではなかった。

初めのころの良一は命というコトバにとても敏感だった。
昔、自殺していった少年の気持ちに興味がわいて、少年の奥深いところまで追及したほどだ。
そのときの良一には、少年に反論できる考えを持っていなかった。しかし、この後のいろいろな人との「出会い」によって反論できる考えを持つようになる。

自殺した少年の気持ちはもちろん全て分かるわけではないが、少なくとも、少年にだって、死を選択選択するまでに何度かは生きたいと思っただろう。すばらしい日々を生きてみたいと思ったに違いない。
良一は、直美と少年を重ねた。でも、重なり合わなかった。
共通点は、生きる可能性がないということ。

しかし、死に方は違かった。
直美は自分の運命に感謝して死んだ。
少年は少し死ぬのが早かったのかもしれない。

「どんなに頑張っても、いつかは死んでしまうんだ」
というコトバ。

それは単なる人生への逃げだということ。そんな当たり前のことはすぐに気づくだろう。
生きていれば、それだけ可能性も広がる。
良一には分かっていたと思う。
良一の周りにいる人に、下馬という良一と近い性格をもった人がいた。
良一と徹也が「一五同盟」を組んだ後、下馬は、ふと良一を誘った。

しかし、良一はその誘いを断った。
結果、下馬は一人死んでいった。
直美と徹也との出会いが良一の選択を変えた。
もし、同盟を組んでいなかったら、良一は別の道を選んでいたかもしれない。

では、この下馬の死はムダだったのだろうか。
あの自殺した少年の死もムダだったのだろうか。
やはり、”死”にムダなんてないと思う。
この下馬の死は、良一の止まっていた足を動かすきっかけとなった。
直美の死を素直に受け止めるきっかけになった。
少年の死も、良一にとっては、死を考える良い時間をつくってくれた。
直美に出会うきっかけにもなった。

もうひとつの話の鍵を握る徹也は、良一の一番の友達。
良一ははじめ、徹也のその完璧さに嫉妬した。
しかし、そんな彼にも悩みがあることを知った。
直美が死んだあとの、自分の未来。
直美のことを忘れてしまう恐怖。
そこで徹也は、約束をした。
自分の未来にこの約束を植えつけた。

それが、「一五同盟」。
良一と直美との約束。

これからの彼らは、まっすぐ道を進んだと思う。
そして、いろんな人に「生きる」可能性を与えていったと思う。
直美は、運命に感謝したいと言った。
良一に出会えてよかったといった。
大好きだといった。

直美は、出会った人の架け橋になってくれたと思うと直美の父親は言う。
最後に、良一の父親が言っていた、
「若いうちに可能性を残せ」
というコトバの意味がやっと良一にも、自分にも分かった気がする。

この先の運命に「ばかやろう」などと投げやりにならず、
たとえ全く可能性がなくても、せめて自分のできることをしたいという気持ち。
一人ひとりが目立つ必要は無い。
生きることに感謝することを忘れない。
直美たちのようにすばらしい出会いを作り、
この先どんなことがあっても最後には、
この運命に感謝できるように生きたい。

他にも、
中学生、高校生にオススメの本。

夏の庭―The Friends (新潮文庫)/湯本 香樹実

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キッチン (新潮文庫)/吉本 ばなな

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(※言うまでもないですが転載は禁止でお願いします。そのままコピペで読書感想文の課題に使うのも後でバレると思います、最近はそういうソフトもあるのでしないほうが良いと思います。。)

読んで頂いて、ありがとうございます。