#050 火車/宮部みゆき

火車 (新潮文庫)/宮部 みゆき

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宮部みゆきさんは、「模倣犯」が一番好きでした。
「模倣犯」のようなミステリーを期待して読んでみたら、少し違うと感じるかもしれません。
ミステリーというより、社会派小説として読んだら、
間違いなく、この上なく面白いと思います。
なので、トリックの巧妙さや、伏線などを期待すると、「ん?」ってなると思います。。
でも!”犯行の動機”の部分は、類を見ないほど、リアルかつ深みがあって納得すると思います。
(「容疑者Xの献身」みたいな切なさかな、、)
何の社会問題について書かれている小説かというと、
「カード社会によって生み出された自己破産者という犠牲者の急増」
について。
本著でも述べていますが、
日本では”カードの正しい使い方”なんて教育は、一切受けません。
この小説の要の人物の”彰子”という女性は、
カード、サラ金地獄によって自己破産します。
「多重債務を抱えるのは、やっぱり本人に何らかの欠陥や欠点があるからに違いない。」
と思うかもしれませんが、
そう簡単には言い切れません。。
「クレジット・ローン破産は公害のようなものだ」
という台詞があります。
自分は、そんなバカじゃないって思ってても、
無関係だとは言い切れなくなる、なんとも言えない恐怖を感じました。。
ラストまで見ても、誰が一番悪いのか(もはや殺人犯でさえも…)、分からなくなるほど考えさせられます。。
(多分、あえて言うならば、捜索を遠い親戚の刑事に頼んだのにも関わらず、逆切れして、
経費だとか言いながら、3万円をぶん投げた”和也”は悪い奴だと個人的に思いましたが、、笑)
何気に一番印象に残ったのが、
「ボケ」という犬が殺されたトコ
。。
”犯罪者”の心理について、
子どもに対して、深いこと言っているけど、それでいて分かりやすい説明だと思いました。
幸せ”と”お金”の問題。
切ってもきれない大事な問題。
その2つについて、考えさせられます。
なんとも言い切れない(切ない犯罪者の)哀しさが心に残る本でした。
読んで頂いて、ありがとうございます。