- 夜と霧 新版/ヴィクトール・E・フランクル
- ¥1,575
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人生を変えた本。
「運命」
それに、前向きに従おうと考えるようになりました。
たとえ、
貧乏な家に生まれてきても、
ぶさいくに生まれてきても、
癌になっても、
事故で、一生立てない体になっても、
大事な人を亡くしても、
戦争の時代に生まれてきても、
アウシュビッツ強制収容所にユダヤ人だからという理由だけで入れられても、、、、、
「夜と霧」
アウシュビッツに入れられた心理学者のユダヤ人の実話です。
どんな環境にいても、そこに放り込まれて、あらゆる自由を奪われても、
一つだけ奪えないものがある。
与えられた環境でいかにふるまうかという自由。
そういった意識は誰にも奪えない。
「行動的に生きることや安逸に生きることだけに意味があるのではない。
生きることそのものに意味があるとすれば、苦しむことにも意味があるはずだ。
苦しむこともまた生きることの一部なら、運命も死ぬことの一部なのだろう。」
強制収容所で亡くなった女の人がこう言います。
「運命に感謝しています」って。。。
いつ殺されるか分からないような状況で、なぜこんなこと言えるのか。
普通、精神的に狂うと思います。
でも、その人はこう続けて言います。
「運命に感謝してる。なぜなら、私をこんなにひどい目にあわせてくれたから。
今まで、なに不自由なく暮らしていたとき、私はすっかり甘やかされていて、精神がどうこうなんて真面目に考えたことがありませんでした。」
自分がどれだけ幸せかを知り、
生きることについて真剣に考えることができたから、運命に感謝したんだろうなと思いました。
すごい。
伊坂幸太郎の本で出てくるセリフの
「未来は神様のレシビで決まる」
と似ているなぁとも思いました。
どんなに生きることが苦しくても、
どれだけ自分が不幸でも、
なんで、おれなの!
なんで、おれであいつじゃないの!
なんで、おれだけ不幸なんだ。
なんて、今の現状に文句を言うんじゃなくて、
自分の人生にはなんかしらの意味があるって考えること。
それが生きることなんじゃないかな。。
運命なんて変えられないんだから、運命を運命として受け止めて、その中で自分ができることはないかと考えて、ベストを尽くして生きる。
運命に期待なんかしちゃダメなんだよ。
自分が今できることを全力ですればそれでいいんだよって。
「収容所の生活を非本来的な何かと考え、自分のありようを真摯に受け止めず、
過去の生活にしがみついて心を閉ざしている人は、成長は望めない。」
「人生は、歯医者の椅子に座っているようなものだ。さあこれからが本番だと思っているうちに終わってしまう。
強制収容所ではたいていの人が、今に見ていろ、私の真価を発揮できるときがくると信じていた。
けれども、現実には、人間の真価は収容所生活でこそ発揮されたのだ。」
「生きていることになんにも期待が持てない」
生きる目的を見出せず、生きていてもなにもならないと考えたとき。
私たちが、生きることから何を期待するかではなく、
生きることが私たちから何を期待しているかを考えることが大事。
苦しむことは、なにかをなしとげること。
苦しむ勇気を持つこと。苦しむことは意味のないものではない。
辛い状況に立った時、この本を読んで、
『生きるのって、辛いこと、そんなの当たり前。』
ってことを改めて考えさせられました。
辛さから逃げるんじゃなくて、今を否定するのではなくて、
この現実を受け入れることから始めなきゃって思いました。
読んで頂いて、ありがとうございます。