#019 イン・ザ・プール/奥田 英朗

イン・ザ・プール (文春文庫)/奥田 英朗
¥500
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---------------—-前置き-------------------------------------------------------–

はじめに、読んで頂いてくれている人がいるので、書きたいと思います。

いつもながら少し、私の価値観が混じった本のレビューになると思います。

ただ、私が信じてることなんて、他の人にとっては、正しくないかもしれません。間違ってるかもしれません。
共感するトコ、全く共感できないトコあると思います、いや絶対あります。
だから、面白いと思いますけど。
私が絶対したくないこと
⇒自分の価値観を人に押し付けること。
みんな違うこと考えるから面白いのに。
一緒に無理やりしちゃうのっておかしい。
もちろん同じ価値観の人と一緒にいたいけど、違う価値観持ってる人と話すのも好きですね。
もちろん対立するけど、刺激になります。
戦争ってだから起きるんだろうなぁ。
宗教なんて、一緒にしなくていいのに。。
一人ひとり信じること=信念は違くて良いと思います。

なので、一つのレビュー(考え、見方)として軽く読んでください。

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不思議な魅力がある本です。
程度の差さえあるけど、誰にでもある”悩み”をもっともっと極端に表現している本。

伊良部っていう精神科医のもとにやってくる、様々な悩みを持った患者の話。

この色白で太った伊良部って、まじ変です。
父親のコネで、医者になってる。
マザコン。しかも、ロリコン。
注射フェチ。

全く尊敬できないんだけど、唯一尊敬できるトコがあります。
それは、

「素直」なトコ。

「自分に正直」であること。

この話で、5人の人が出てくるんだけど、どの人も自分に素直に生きていないような気がしました。

どこか、自分にウソついて、偽って、飾って生きている。そういったことって、

誰にでもあることだけど、それをもっと極端にした話。

だから分かりやすい。

①プール依存症の人
②常に勃ちっ放しの陰茎強直症の人
③自意識過剰の人
④ケータイ依存症の人
⑤心配症の人

自分に正直に生きるのって、結構難しい。

人から良く見られようと飾ったり、人に合わせなくちゃならないとか、どうしても我慢しなきゃならないこととかあるから。

でも、素直な方がなんか人間らしくて良いと思います。

つっぱてた不良が、先生に泣きじゃくるシーンとか、
恐い人が、子供やペットには、ものすごく笑顔になることとか、なんか良いなって思います。
建前だけで、話してもつまらない。
みんな一緒になるから。
大人になるにつれて、「制約」ってたくさん増えると思います。
それだけ、「責任」が増えるから。

子どもの時は、感じたことをそのまま表現できたけど、
めっちゃ怒ったり、たくさん泣いたり、喜んだり、、
でも大人になるにつれて、男だからという理由で泣くわけにはいかないし、むかついたからといって怒るわけにはいかない。

社会人になったら、もっと自分の気持ち押し殺してでも我慢しなきゃならないことが増える。
お客に「ふさげんなよ!」…とは言えない。。。
家族を持ったら、さらに難しくなる。(守るべきものがある人は強いと思うけど。)

だから、子どものときにお受験とか、お稽古を何個も持たすとか、そんなのやめちゃえって思ったりします。笑

もっと小学生くらいまでは、気持ち押し殺さないで、のびのびやりたいことやらせた方がいいと思います。
だから、後々、たまってたものが噴出して取り返しのつかないコトが起こるんだよ。

…そんなことはどーでもいいですけど、
でもやっぱり、大人になっても、本当の自分を見失わないで生きたい。

泣いたり、怒ったり、喜んだり、悲しんだりすることが人間だと思うから。
ものすごく、言いたいことを言いつくした時、ちょっと気持ちが良かったりします。
めっちゃ泣いたりすると気持ちが良かったりする。
本当の自分はこうなんだって”告白”するのって気持ちがいい。
んー、あえて例えるならば、修学旅行の夜に、「ぶっちゃけトーク」をする感じですかね??
(あ、意味わからないかも。。)

あ、この人こんなこと考えてたんだ!って思うことが好きです。
建前は、みんな同じだからつまんない。
人それぞれ、違うこと考えるはずなのに。

この本は、典型的な日本人を描いていると思います。
我慢する文化。。。
アメリカ人だったら、迷わず、ことばにして。
「オーノー!オーマイガット」
「ファックユー!」
「アイラブユー」
「キルユー」
で済むからね。笑
日本人って、感情を人に見せないことを美学にしているところがあるから。

「男は黙っているもんだ」みたいなとか、
「黙ってついてこい」みたいな
武士道みたいな。
それって信頼ってことだし、確かにどんなに辛いことがあっても、

黙々と信じてやりつづけることって、かっこ良いんだけど。。

言わずもがなみたいな。
愛してるって言わなくても、分かるだろ、みたいな。
今、話題のKYみたいな。
”雰囲気”で感じ取れみたいな。
あれって言ったらあれなんだよ。みたいな。

自分の気持ちを表すのは、でも大事。
その気持ちを表す方法って結構ある。
スポーツをするのが気持ちいいのもそうかも。
めっちゃ声をでかくして、応援すること。
疲れるまで練習したり、負けたら泣いたり、
自分の気もちを、全て運動という形にして出してるから。(この本でも、水泳依存症になった男がいる)

あと、カラオケとか。
カラオケなら、普段では絶対言えないようなセリフも言える。
アイラブユーとか、君がすべてだとか、もう君以上愛せないとか。笑
だから日本人がカラオケ発祥の地なんでしょうか。。

はたまた、自分が文章を書くのが好きなのも、一番自分を表現できる”手段”だからかもしれません。
でも、ある意味、逃げなのかなって思ってたりもします。
話して、人に自分を表現できる訓練もしますけど、

少し、文章書いてるのが、依存症になってることがあるから気をつけないと。
それが、この本では、ケータイ依存症の学生の話
一日200通メールをする男の話。
こうまでして、人とつながっていたいって思うものか。
共感はできるけど、自分はやだなぁ。
人と一緒にいたいからって、人と合わしたりするのは…。。

一人でいたくないから、人と合わすのが自分なのか。
仕事だったらしょうがないかもしれないけど、日常まで人と合わして、自分がしたいことできないのって、なんかさみしいなと。

いいじゃん、一人でも。
いいじゃん、一人で映画館行っても。笑
いいじゃん、一人で食事しても。

一人でいたら、「こいつ、友達いないんじゃないの」って思われるのが嫌だから、友達といるのが、トモダチナノ?かって。

一人でいる人を見て、わざわざ他人のこと、そんなこと思う人いない気がする。そこまで思うほど気にしないし。

そもそも、一人で映画館行ってる人は友達いないとかありません。

現に私には信頼できる友達がいます。

むしろ、自分を偽って、自分がどんどん離れていくのが一番怖いと思います。
オタクってなんか、非のイメージがあるけど、結構話してみると面白いのも、自分を持ってるから。

自分って、持とうと思って持つものでもなくて、

本来持ってるもの、あたりまえだけど。正直に生きること。

ブランド品身につけて、自分を良く見せなくたって、良いかなって思います。
それが、この本では、コンパニオンの自意識過剰の美人の話

「メイクやミニスカートは鎧。人間、一度手にした武器はなかなか手放せないもの」

ってコトバがあります。
自分飾らなくても、光るものってある。
人に合わす人生ってなんてつまらない。

意識しないと、自分を出すことって、どうしても難しいですよね。

飾らないそのままの素直な自分が一番だと思います。

この話の主人公が教えてくれます。

素直に自分見せてくれる人は、なんか信頼できます。

自分をコトバで表現することは難しいけど、

そんなときとにかくなすがままに頑張ればいいのかなぁって思ってたりします。。

仕事で、何かしらないけど、がむしゃらに頑張ってるとちょっと気持ちが良かったりするし。。
なにか自分をコトバでは表現できないけど、必死に頑張ってるトコって”自分”じゃないかな。

大人って、感情をモチベーションに他の行動に変える力を持つことかなと。

そんなことを、この本の最後の”心配症”の男の話で考えました。

ホントは、結構笑いがある小説で、そんなことも考えたオススメ本です。

読んで頂いて、ありがとうございます。